内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 <JAPEX 09>こぼれ話
2009-11-02 Mon 11:46
 <JAPEX 09>はきのうで閉幕しましたが、そのこぼれ話ということで、きょうはこんなモノをもってきました。(画像はそれぞれクリックで拡大されます)

 コステューム・ブラックプリント   コステューム・凹版カード   コステューム・ブルテン表紙

 いちばん左の画像は、1948年にオーストリアが発行した通常切手“コステューム・シリーズ”の最高額10シリング切手のブラックプリント(黒一色の試刷)です。もっとも、実際に発行された切手も黒一色なので、印面部分の画像は変わり映えしないといわれればそれまでですが…。

 第2次大戦後、米英仏ソ4ヵ国占領下のオーストリアで発行された最初の普通切手は、1945年から発行が始まった“風景シリーズ”ですが、1948年からはオーストリア各地の伝統的な服装の女性を描く“コステューム・シリーズ”の発行が始まりました。シリーズの原画は、ウィーン・アカデミーの若手教授(当時40歳)で画家のヨゼフ・ゼーガーが作成しています。

 コステューム・シリーズはカタログのメインナンバーで37種あり、21の額面については白紙と灰味紙のバラエティがあります。1955年にオーストリアが永世中立を宣言し、独立を回復した後も使用され、1957年から発行の“建物シリーズ”がその後を継ぎました。

 さて、シリーズのうち、最高額の10シリングは唯一の凹版切手(他はグラビア)で、1850年のウィーンの女性が取り上げられたもの。当時、オーストリア随一の凹版彫刻家であったハンス・ランツォーニ(ウィーン州立グラフィック美術大学凹版学科主任教授)によるシャープな画線は、デザインの美しさとも相まって、“オーストリア切手の華”と呼ぶにふさわしい逸品といってよいでしょう。

 さて、<JAPEX>では、毎年、記念の凹版カードを作っていて、今回は企画展示の“日本オーストリア・ハンガリー交流140周年記念「ハプスブルグ帝国展」”にちなみ、中央の画像に示すように、1948年の10シリング切手が題材として取り上げられています。カードはタトウに収められ、切手についての解説文がつけられているのですが、今回の解説記事(上の文章とほぼ同内容です)も僕が書いています。

 昨年までは実行委員長という立場もありましたので無償で無署名の記事を書いていたのですが、今回はそういう立場ではありませんので、売文家の“仕事”としてお引き受けしました。といっても、実際には謝礼は現金ではなく、コミュニティ通貨(?)の2000フィラですから、実質ボランティアといってよいでしょう。ただ、文筆は僕の生計の手段でもありますので、特別な事情がない限り、完全な無償で文章を提供するのは勘弁していただきたいという点はご理解ください。

 このため、タトウにも執筆者として名前も入れていただくようにお願いしたのですが、主催者側では昨年までの習慣が抜けなかったためか、無署名記事になってしまったのが残念なところです。まぁ、雑誌『郵趣』や『全記録』(ブルテン2)の基金協力者名簿には、“お詫び”というかたちで、タトウの解説記事を僕が書いたことを記載してくれるとのことですから、現実の問題としては、それで良しとするしかないでしょうな。

 とはいえ、僕の書いた記事をいつもチェックしていただいている読者の方もおられますので、一応、この場でご報告申し上げる次第です。なお、本来であれば、もっと早くにタトウの解説が僕の記事であることをブログに書くべきだったのかもしれませんが、主催者側の不手際にクレームをつけた格好になり、そのことが、結果的に基金募集の妨げになってしまうのは本意ではありませんので、会期終了を待つことにしました。あしからずご了承ください。

 ところで、凹版カードを彫った職人さんが実際に資料として手元においていたのは、僕のブラック・プリントではなく、使用済みの単片だったそうです。そこで、主催者側スタッフの方から、ブルテンの表紙(右の画像)や屋外に設置のバナーなどに使えるような綺麗な未使用はないかとお問い合わせをいただきましたので、今回ご紹介のブラック・プリントをお貸しししました。(僕自身はまだチェックしてないのですが、ブルテンのどこかに所蔵者の名前が出てるだろうと思います。)

 なお、会場の展示を見ていたら、会場には10シリング切手の実物は展示されてませんでした。そういうことなら、僕の手元にあるコステューム・シリーズのコレクション(時間的な余裕がなかったうえに、非常に貧弱な内容なので出品は自粛してしまいました)でも出品しておけばよかったかもしれません。気の利かないことで失礼いたしました。


 ★★★ 出版記念パーティーのご案内 ★★★

 『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』の刊行を記念して、ルーマニア民主革命20周年の記念日にあたる12月22日、下記のとおり出版記念パーティーを開催いたします。ちょっと変わったオフ会あるいは忘年会としていかがでしょうか。当日は、僕のトークのほか、楽しいアトラクションを予定しております。

 ・日時 2009年12月22日 18:30~

 ・会場 レストラン・ルーマニア(本格的ルーマニア料理のレストランです)
     *東京都中野区本町1-32-24(東京メトロおよび都営地下鉄中野坂上駅1分)
      tel: 03-5334-5341 地図などはこちらをご覧ください。

 ・会費 7000円(『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』1冊つき)
     *当日会場にてお支払いをお願いいたします。

 ・参加ご希望の方は、12月18日までにキュリオマガジン編集部まで、電子メール(info@fujimint.com)にてお申し込みください。たくさんの方々のお越しを心よりお待ちしております。
  
 
 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★

 『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行:ルーマニアの古都を歩く』

 トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行   (彩流社 オールカラー190ページ 2800円+税)

 全世界に衝撃を与えた1989年の民主革命と独裁者チャウシェスクの処刑から20年
 ドラキュラ、コマネチ、チャウシェスクの痕跡を訪ねてルーマニアの過去と現在を歩く!
 全国書店・インターネット書店(アマゾンbk17&YYahoo!ブックス楽天ブックスlivedoor BOOKS紀伊国屋書店BookWeb本やタウンなど)にて好評発売中!
スポンサーサイト

別窓 | オーストリア | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< 60年前の文化の日 | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  <JAPEX 09>出品作品より>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/