内藤陽介 Yosuke NAITO
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 表紙の切手
2009-11-05 Thu 09:17
 きょう(11月5日)は拙著『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行:ルーマニアの古都を歩く』の奥付上の刊行日です。というわけで、プロフィール画像にも使っている表紙カバーに取り上げた切手について、少しご説明しておきましょう。(画像はクリックで拡大されます)

 ロシュカ   ヴォロネツ南面   ヴォロネツ小型シート

 左の画像は、1970年にルーマニアで発行されたヴォロネツ修道院の壁画切手の1枚で、モルダヴィア公国の主都大主教、グレゴリエ・ロシュカの像が取り上げられています。なお、中央の画像は、表紙カバーに使った元の写真で、右側はこの部分を大きく取り上げた1971年の小型シートです。

 ヴォロネツ修道院は、1475年のヴァルスイの戦いでオスマン帝国軍を打ち破り、ローマ教皇から“キリストの戦士”と讃えられたシュテファン大公が、自らの指南役であった修道僧ダニエルに感謝して寄進したもので、“ヴォロネツ・ブルー”と呼ばれる独特の青色をベースにした壁画で有名です。

 中世のブコヴィナでは一般の農民や兵士たちは教会内に入ることを許されておらず、また、彼らの多くは文字がほとんど読めませんでした。そこで、一般庶民の信仰にこたえるため、教会の外壁に聖書の場面やキリスト教史の重要なエピソードなどが描くよう、シュテファン大公の息子ペトル・ラレシュに対して進言したのが、今回ご紹介の切手に取り上げられているロシュカだったといわれています。その意味では、ロシュカがいなければ、現在のような“5つの修道院”は存在せず、それゆえ、“モルドヴァの教会群”がユネスコの世界遺産に登録されることもなければ、この地に世界中から多くの善男善女が足を運び、外貨を落としていくということもなかったかもしれません。“観光資源の父”としてのロシュカに対して、ルーマニア国家はどんなに感謝しても感謝しすぎることはないといってよいでしょうな。

 さて、この壁画は、ヴォロネツ修道院の南面西側の出入り口付近に描かれているものです。ロシュカの像は、入口のすぐそば(写真では左側)にあって、現地でもすぐに見つけられました。なお、通常、教会堂の入口は西側に向けて作られるのですが、ヴォロネツ修道院の場合は、西側の壁面に「最後の審判」を描くことを優先したため、入口は南面に設けられています。

 なお、同修道院の「最後の審判」をはじめ、5つの修道院の壁画については、拙著『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』でも、オールカラーでたっぷりとご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、お手にとってご覧いただけると幸いです。
 

 ★★★ 出版記念パーティーのご案内 ★★★

 『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』の刊行を記念して、ルーマニア民主革命20周年の記念日にあたる12月22日、下記のとおり出版記念パーティーを開催いたします。ちょっと変わったオフ会あるいは忘年会としていかがでしょうか。当日は、僕のトークのほか、楽しいアトラクションを予定しております。

 ・日時 2009年12月22日 18:30~

 ・会場 レストラン・ルーマニア(本格的ルーマニア料理のレストランです)
     *東京都中野区本町1-32-24(東京メトロおよび都営地下鉄中野坂上駅1分)
      tel: 03-5334-5341 地図などはこちらをご覧ください。

 ・会費 7000円(『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』1冊つき)
     *当日会場にてお支払いをお願いいたします。

 ・参加ご希望の方は、12月18日までにキュリオマガジン編集部まで、電子メール(info@fujimint.com)にてお申し込みください。たくさんの方々のお越しを心よりお待ちしております。
 

 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★

 『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行:ルーマニアの古都を歩く』

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