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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 琉球エキスプレス
2009-11-11 Wed 08:51
 きのう(10日)、千葉県市川市に英国人女性のリンゼイ・アン・ホーカーさんが殺害され遺体で見つかった事件で、死体遺棄容疑で指名手配されていた市橋達也が大阪のフェリーターミナルで身柄を確保され、大阪府警住之江署内で指紋照合の後、逮捕されました。市橋は那覇に向かう予定だったとのことで、テレビでも現場の映像が流れていましたが、背景に“琉球エキスプレス”の文字が入った船が映っていたのを見て、この1枚を思い出しました。(画像はクリックで拡大されます)

 沖縄・速達切手

 これは、1950年2月15日、アメリカ施政権下の沖縄で発行された速達切手で、地図を背景に龍が描かれています。

 沖縄における速達制度は、戦前の1937年8月16日から実施されました。当初の料金設定は、郵便区市内8銭、市外および局から8キロは30銭、4キロ超えるごとに25銭という設定です。

 その後、沖縄戦が始まると沖縄本島では郵便どころではなくなり、米軍の占領下では、住民は米軍に労働力を提供して物資を得るという“無貨幣経済”が行われ、郵便物も当初は無料での取り扱いとされていました。有料の郵便制度が復活するのは、1946年7月1日のことで、このとき、速達料金は90銭と設定されました。

 その後、1949年8月1日に郵便料金が改正になると(ちなみに、書状基本料金は30銭から1円になりました)、速達料金は5円になりました。今回ご紹介の切手は、この料金に相当するものとして発行されたものです。ただし、実際には速達の取扱が行われていなかったとさえいわれているくらいで、この切手の使用例は高額料金の航空書状に貼られているケースがほとんどです。まぁ、1953年12月の料金改定時には速達の制度そのものがなくなってしまうのですが…。

 速達制度が実際に行われていなかったとすると、なぜ、速達切手を発行したのか、われわれの感覚からするとなんとも不思議な話ですが、“宗主国”のアメリカでは速達切手が発行されていましたから、それに平仄を合わせたということなのかもしれませんな。

 
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この記事のコメント
#1555 制度とニーズのずれ
こんばんは。

ひょっとして、そんな問題だと感じました。
一つは経済、社会制度的ニーズの問題。人件費が安かったら、「使い」を出せば済みますからね。
もう一つは「地理的条件」。つまり地域の広さ狭さと、交通の便の問題。

そんなところから、せっかく始めた制度が無くなっていくように思います。
このケースの場合は、どうでしょうか?
2009-11-11 Wed 22:22 | URL | maurunamu1 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 maurunamu1 様

 僕は沖縄の郵便制度についてはあまり知らないのですが、ニーズがなかったというご指摘には賛成です。

 ちなみに、朝鮮半島でも、初期の頃は郵便を出すより人を遣わした方が安いので、利用者が極端に少なかったという話を聞いたことがあります。それだけが理由ではないのでしょうが、旧韓国の国内便カバーの少なさの要因の一つではあるでしょうね。
2009-11-15 Sun 19:30 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
#1573 思い出したことですが
 「朝鮮時代」に近代郵便が導入されたいきさつをちょっと調べてみたことがあります。
 手元に資料がないのであやふやですが、たぶん公用文伝達制度である「駅逓制」の解体が行われないまま、あっという間に「甲申事変」によって、推進者が抹殺されたようです。
 なので、需要が高かった「公用文」は郵便制度が無くなっても、既存の施設・システムを再利用して処理出来たわけです。

 ただし、10年後郵便制度が復活し「公共事業としての必要性」が認識されると、官民ともそれなりの利用があったと覚えています。もっとも、時期が日本の政治的、経済的進出時期と重なり、全国ネットワーク展開が徹底されないまま、日本の植民地化より早く日本郵政に吸収されてしまうのですが。
2009-11-25 Wed 22:27 | URL | maurunamu1 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 maurunamu1 様

 甲申事変のクーデターが成功していたら、朝鮮の近代史はかなり変わったものとなっていたでしょうね。もちろん、郵便史の空白の10年間というのもなくなりますから、朝鮮郵便史は全く違った展開になったはずです。

 まぁ、歴史にif は禁物とはいえ、ときどき、空想を巡らせてみるのも楽しいですな。
2009-11-29 Sun 10:22 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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