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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 日式・文化大革命?
2009-11-15 Sun 17:56
 ちょっと前の話ですが、12日に行われた毎日新聞の政策情報誌「毎日フォーラム-日本の選択」のシンポジウム「政治は変わったか~民主政権の課題と自民再生への展望」で、仙谷由人・行政刷新担当相が、予算の無駄を洗い出す「事業仕分け」について「予算編成プロセスのかなりの部分が見えることで、政治の文化大革命が始まった」と語っていたそうです。文化大革命ねぇ…。というわけで、きょうはこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

 毛沢東と紅衛兵

 これは、中国で文化大革命(以下、文革)真っただ中の1967年5月1日に「毛主席の長寿をたたえる」と題して発行された切手の1枚で、紅衛兵に囲まれる毛沢東が描かれています。紅衛兵の身長からすると、毛は2メートルを超える大男となっており、まさに“偉大なる主席”といった風情です。

 切手の上部には、1966年8月10日、文革についての初めての系統的な正式文書である「プロレタリアート文化大革命についての決定(通称:16ヶ条)」の採択を受けて、毛沢東が中共中央接待所に集まった大衆に対して語った「諸君は国家の大事に関心を持ち、プロレタリア文化大革命を最後までやりぬかねばならない」との文言が印刷されています。ちなみに、この文言は、翌11日付の『人民日報』が毛と大衆との会見を報じた際にも掲載されています。

 さて、文化大革命が大衆のルサンチマンを煽動・悪用した権力闘争にすぎなかったことは現在ではすでに明らかになっており、現在の中国共産党ですら、、「わが党が犯した最大の過ちである」と認識、謝罪していることは広く知られているとおりです。(もっとも、2006年5月の文革発動40周年の際には、中国共産党は「文革に関しては取り上げないように」とマスコミに通達していますが)

 したがって、現職閣僚が「政治の文化大革命が始まった」などと発言するのは、はなはだ不適切であり、通常ならマスコミから袋叩きにあってもしかたがないと思うのですが、どういうわけか、あまり話題になっていませんねぇ。まぁ、公開の場で“仕分け人”と称する議員が、極めて高圧的な態度で、相手に有無を言わさず事業の廃止を申し渡す場面は人民裁判を、“小沢チルドレン”と呼ばれる新人議員などは紅衛兵を、それぞれ連想させるものではありますが…。

 予算の無駄を排し、事業の見直しを行うこと自体は、おそらく、万人が賛成するものでしょうが、無駄とする事業の基準については人によって意見は分かれるでしょうし、その基準というものから、その人の考えを類推することも十分に可能でしょう。

 今回の“仕分け”で僕が気になるのは、科学技術関連の予算がバッサリ切られたという点です。特に、若手博士の支援事業について、某仕分け委員が「博士になったのは自己責任なんだから、それを保護するのはおかしい」という意見を出したのだそうですが、こういう言説がまかり通るようだと、ただでさえ苦しいといわれている若手研究者の方々の将来はますます暗澹たるものとなるでしょうな。このことは、結果的に、科学技術立国というわが国の基盤を崩していくことになると思うのですが、それでも構わないというのが現政権の判断なのでしょう。

 こうした事柄に、高校までの学費免除などの政策や、農業への就業支援が事業仕分けでも要求通り認められたことなどをあわせて考えてみると、現政権としては、高卒者の数を増やして大卒・院卒者の数を減らし、結果として増大した高卒者を農作業や介護の労働力へと誘導するということを考えているように思えてなりません。

 かつての中国の文革では、知識人は弾圧され、大学生たちは農村へと下放されて行きましたが、現政権も結果として同じ方向を目指しているんでしょうかねぇ。文化大革命云々という現職閣僚の発言もただ単純に彼らの本音が透けて見えただけだとブログに書いたりすると、いずれ、“紅衛兵”に取り囲まれて吊し上げにあう…なんてことになるのかもしれませんな。


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     *当日会場にてお支払いをお願いいたします。

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この記事のコメント
#1559
今の既存のメディアが共産支那を批判なんて出来る分けないじゃないですか。所詮既存のメディアなんて共産支那の手先なんですから。
2009-11-15 Sun 19:27 | URL | 駒長 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 駒長様

 まぁ、既存のメディアが北京の批判をできないからこそ、僕らのようなブログの価値があるんでしょうけどね。
2009-11-15 Sun 21:40 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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