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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界漫遊記:5つの修道院④
2009-11-21 Sat 11:25
 『キュリオマガジン』2009年12月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫遊記」ですが、ルーマニア篇は今回が最終回。前回に続きルーマニア北東部・南ブコヴィナの“5つの修道院”の4回目。今回は、そのなかから、こんなモノをもってきました。(以下、画像はクリックで拡大されます)

 プトナ(切手)   プトナ(実物)

 これは1991年に発行されたプトナ修道院の切手と、その実際の写真です。“5つの修道院”というタイトルによれば、今回は記事中のアルボーレ修道院を取り上げるべきなのでしょうが、同修道院については、以前の記事でもご紹介したことがありますので、今回はいままで取り上げたことのないプトナ修道院を持ってきました。

 モルダヴィアの、というより全ルーマニア人にとっての民族的英雄であるシュテファン大公は、戦で勝利を収めるたびに修道院を一つずつ寄進することを誓い、それを実行に移した人物で、キリアの戦いでオスマン帝国を破った後、1466年7月10日、神への感謝を示すために聖母マリア(正教会では“生神女マリヤ”のが一般的)にささげる教会を建設することを決意。ブコヴィナのヴィコヴ・デ・スス村を200ズロトで購入。村を見渡せる丘の上から3本の矢を放ち、1本目が落ちた場所に修道院の聖なる井戸を、2本目が落ちた場所に祭壇を、3本目が落ちた場所に鐘楼を建てたといわれています。

 修道院の建設は、近隣の洞窟に住んでいた隠者ダニエル(後にヴォロネツ修道院の初代院長となった人物)の指導の下、およそ3年がかけられ、1470年9月3日、大公とその家族が参列する中、成聖式(聖職者の祈りによって、礼拝の器具や建造物などを聖なるものとする儀式)が行われました。この結果、プトナ修道院はモルダヴィアにおける宗教・芸術・文化の中心地としての地位を獲得。1504年に亡くなったシュテファン大公のみならず、息子のボグダン三世やペトゥル・ラレシュ(モルドヴィツァ修道院を建立したモルダヴィア公)もここに埋葬されています。

 当初の建物は、1484年の火災によりほとんど焼失し、2年後に再建されましたが、その後も、戦乱や火災、さらには地震などで何度か損傷し、そのたびに再建されるという歴史が繰り返され、1881年9月に周囲の壁と塔が建設され、ほぼ現在のかたちとなりました。

 聖堂の外壁は真っ白で、壁画が描かれていないがゆえに世界遺産には指定されていないものの、ほとんど飾りがないことがかえって修道院としての品格や威厳といったものを強く感じさせます。
 
 さて、「郵便学者の世界漫郵記」ですが、2008年11月号掲載の“ブラン城”から14回続いたルーマニア篇は今回で終了し、次回・2010年1月号からは新たにマカオ篇がスタートします。ぜひ、ご期待ください。

 また、プトナ修道院に関しては、拙著『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』でも詳しくご紹介しておりますので、あわせてご覧いただけると幸いです。


 ★★★ 出版記念パーティーのご案内 ★★★

 『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』の刊行を記念して、ルーマニア民主革命20周年の記念日にあたる12月22日、下記のとおり出版記念パーティーを開催いたします。ちょっと変わったオフ会あるいは忘年会としていかがでしょうか。当日は、僕のトークのほか、楽しいアトラクションを予定しております。

 ・日時 2009年12月22日 18:30~

 ・会場 レストラン・ルーマニア(本格的ルーマニア料理のレストランです)
     *東京都中野区本町1-32-24(東京メトロおよび都営地下鉄中野坂上駅1分)
      tel: 03-5334-5341 地図などはこちらをご覧ください。

 ・会費 7000円(『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』1冊つき)
     *当日会場にてお支払いをお願いいたします。

 ・参加ご希望の方は、12月18日までにキュリオマガジン編集部まで、電子メール(info@fujimint.com)にてお申し込みください。たくさんの方々のお越しを心よりお待ちしております。
 

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