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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 イエメンの人質解放
2009-11-25 Wed 10:37
 イエメンの首都サヌア近郊で地元部族民に8日間誘拐・監禁されていた日本人技師、真下武男さんが、日本時間のきのう(24日)未明、無事解放されました。というわけで、きょうはこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

 サヌア=ホデイダ道路

 これは、1961年、サヌア=フダイダ(紅海沿岸の港湾都市)を結ぶ高速道路の開通を記念してイエメンで発行された記念切手で、近代的な港湾都市フダイダと山々に囲まれた標高2200メートル古都サナアのイメージが対比して描かれています。今回、真下さんが運転手ともども誘拐されたのは、サヌア北東・アルハブの現場に車で向かう途中だったそうです。今回ご紹介の切手の高速道路は、フダイダからサヌアまで北東に向かって走っていますので、事件の現場は、切手ではサヌア市街地の右後方、山の稜線と赤い背景の境目くらいの位置という感じになりましょうか。

 イエメンの首都・サヌアは、“ノアの方舟”伝説の故地で、イスラム以前から、香料の貿易で繁栄する南アラビア有数の都市でした。もっとも、交通の要衝であったがゆえに、周辺勢力の侵入も絶えず、人々は城壁を築いて防衛に努めました。このことが、東西約1・5km、南北約1kmの城壁に囲まれた街の輪郭を形成する大きな動機となります。

 西暦7世紀になってムスリムの支配下に置かれるようになると、サナアにあったイスラム以前の神殿はすべて破壊され、その上に、モスクを中心としたイスラム都市の体裁が整えられていきます。現在、サナアの旧市街には、6000棟以上の古い家屋と103のモスク、64本のミナレット(尖塔)が建ち並んでいますが、数百年前から変わらぬままの古い街並がそのまま残っており、街全体が“生きた博物館”とも称されています。このため、1986年にはユネスコの世界文化遺産にも認定され、異国の観光客のエキゾチシズムを大いにくすぐる存在となっています。

 その一方で、国全体としては非常に貧しく、サヌアやフダイダなどの都市部とその他の地域の経済格差は相当に大きなものがあります。じっさい、イエメンでは石油を産出しないわけではないのですが、その量は決して多くはなく、コーヒー以外の食糧の輸入(砂漠地帯のため、農業生産はほとんど期待できない)などでほぼ帳消しになってしまい、隣接する石油大国・サウジアラビアへの出稼ぎに相当程度頼らざるを得ないのが実情です。

 それにしても、解放後の記者会見で、真下さんは、休養のため一時帰国するものの「会社とも相談する必要があるが、自分としては戻って学校のプロジェクトを仕上げたい」と話したのだとか。その責任感たるや実に立派なもので、こうした方々が海外で活躍されることが、わが国の国際的な評価を高めていくことは間違いありません。それだけに、海外の治安悪化地域で、民生支援の日本人スタッフがある程度まとまって活動するような場合には、安全確保のため、自衛隊が警備員として同行するなどの国の施策があっても良いように思うのですが、自衛隊の海外派遣に絶対反対の“9条教”信者だとか、目先の経済効率の低い“無駄”を削減することに血眼になっている仕分け人だとか、そういう人たちが政府を構成しているうちは無理なんだろうなぁ。


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この記事のコメント
#1574 鳩ポッポはお気楽ソーリ
誘拐された真下氏が無事に解放されたのは幸いでした。しかし、日本人が遠い異国の地で囚われの身になっていたというのに、その間に鳩ポッポはカミさんと優雅に歌舞伎見物やら音楽会に出かけていたのですから呆れたものです。真下氏が解放された一報を聞いても当の鳩ポッポは「そりゃ良かった」とまるで他人事のように言ったらしいですから何をか言わんやです。こんな危機意識ゼロの人物が日本の首相なのですから今後の日本の行く末が案じられます。まあ、鳩ポッポは単なるお飾りで実権は後にいる例の腹黒い“あの人”が握ってるのでこれでいいのかもしれませんが・・・。
2009-11-26 Thu 10:57 | URL | アルファ #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 アルファ様

 “あの人”の危機意識ってのはどうなってるんでしょうかね。僕としては、そちらがかなり気になります。
2009-11-29 Sun 10:24 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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