内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ルーマニアの対米戦争
2009-12-08 Tue 10:36
 きょう(12月8日)は、いわずと知れた“真珠湾”の日です。というわけで、先月刊行の拙著『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』にからめて、第二次大戦中、ルーマニアが日本の同盟国として連合国と戦っていた時代のモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ルーマニア・ドイツ混貼・軍事    ルーマニア・ドイツ混貼・軍事(裏)

 これは、1944年8月14日、対ソ戦線のルーマニア野戦局から差し出された葉書です。ルーマニア切手に加えてドイツ軍の航空郵便用の切手(青色の飛行機の切手)が貼られているのは、ドイツ軍の軍事航空便で運ばれたからといわれています。なお、裏面にはソ連軍と戦うドイツ兵の写真が印刷されていて、なかなかカッコいいので、あわせてご紹介しておきます。

 1939年8月23日、ソ連は独ソ不可侵条約の付属秘密議定書において、ベッサラビアの割譲をドイツに認めさせ、翌1940年6月26日、議定書に含まれていなかった北ブコヴィナとともにベッサラビアを併合します。一方、ドイツはルーマニア王国への駐屯権を獲得し、同年9月に日独伊三国同盟条約(以下、枢軸条約)が結ばれると、11月にはルーマニアもこれに加入しました。

 1941年6月22日に独ソ戦が勃発すると、ルーマニアはソ連によって奪われた土地を奪還すべく、事実上の最高権力者であったイオン・アントネスク元帥の下、ドイツ軍とともに参戦し、26日までにベッサラビアを解放しました。その後もドイツは、ルーマニアに対して戦線離脱を許さなかったため、ルーマニア軍はドニエストル川を越えてオデッサ占領作戦に参加したほか、ドイツ軍とともにクリミア半島やスターリングラードでも戦い、ヴォルガ川にまで到達しています。

 この間の1941年12月8日(日本時間)、日本が米英に宣戦し、ドイツも対米宣戦を行うと、ルーマニアも枢軸陣営の一角として連合国から敵国に認定されます。そして、1942年、アメリカがルーマニアに対して宣戦布告を行い、ルーマニアはアメリカと正式な戦争状態に突入しました。

 その後、1943年降のソ連軍の攻勢により、しだいに枢軸側は追い詰められていき、1944年にはベッサラビアは再び、ソ連の支配下に組み込まれ、ルーマニア本国もソ連による占領の危機にさらされることになります。このため、劣勢のドイツ軍とともに対ソ戦を続けることに対して、国王以下、ルーマニア国内では不安が高まり、1944年8月22日、遂にクーデターが発生して、アントネスクは逮捕されました。そして、国王はドイツに対して宣戦を布告し、同年9月には連合諸国との休戦協定も結ばれました。
 
 この結果、国際法上、ルーマニアは日本とも交戦状態に突入し、第二次大戦後の1959年の国交回復まで、日本はルーマニアの“敵国”という状態になりました。

 なお、第2次大戦期のルーマニアをめぐる複雑な状況を反映したマテリアルについては、拙著『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』でもいろいろとご紹介しておりますので、よろしかったら、ご覧いただけると幸いです。
 

 ★★★ 出版記念パーティーのご案内 ★★★

 『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』の刊行を記念して、ルーマニア民主革命20周年の記念日にあたる12月22日、下記のとおり出版記念パーティーを開催いたします。当日は、僕のトークのほか、日本におけるジプシー・バイオリンの第一人者、古館由佳子さん(当日は彼女のCDも販売します)による生演奏もお楽しみいただけますので、ぜひ、遊びに来てください。

      トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行      古館由佳子 古館由佳子さん

 ・日時 2009年12月22日 18:30~

 ・会場 レストラン・ルーマニア(本格的ルーマニア料理のレストランです。)
     *東京都中野区本町1-32-24(東京メトロおよび都営地下鉄中野坂上駅1分)
      tel: 03-5334-5341 地図などはこちらをご覧ください。
      料理は下の画像のようなイメージで、ブッフェ・スタイルです。
      ルーマニアのワイン(もちろん飲み放題)も出ます。

       ルーマニア料理

 ・会費 7000円(『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』1冊つき)
     *当日会場にてお支払いをお願いいたします。

 ・参加ご希望の方は、12月18日までにキュリオマガジン編集部まで、電子メール(info@fujimint.com)にてお申し込みください。たくさんの方々のお越しを心よりお待ちしております。

 
 ★★★ 内藤陽介の最新刊、まもなく刊行! ★★★

  総項目数552 総ページ数2256  
  戦後記念切手の“読む事典”(全7巻) 12月15日、ついに完結!

       昭和終焉の時代  『昭和終焉の時代』 日本郵趣出版 2700円(税込)

 2001年のシリーズ第1巻『濫造濫発の時代』から9年。<解説・戦後記念切手>の最終巻となる第7巻は、1985年の「放送大学開学」から1988年の「世界人権宣言40周年年」まで、NTT発足や国鉄の分割民営化、青函トンネルならびに瀬戸大橋の開通など、昭和末期の重大な出来事にまつわる記念切手を含め、昭和最後の4年間の全記念・特殊切手を詳細に解説。
 さらに、巻末には、シリーズ全7巻で掲載の全記念特殊切手の発行データも採録。
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