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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ハワイ切手のバッグ
2010-01-10 Sun 21:08
 きょう(10日)は、東京・池袋の桐杏学園で行われた切手市場で、拙著『昭和終焉の時代』行商即売・サイン会を行ってきました。大勢の方にお集まりいただき、また、予想以上に売り上げも上がり、あらためてお礼申し上げます。

 さて、僕は普段、著書の行商即売・サイン会に出かける場合、和装で行くことが多いのですが、今回はカジュアルな洋装で行きました。昨年末に入手した下の画像の鞄を持って行きたかったからです。

      レスポートサック(ハワイ)

 これは、カラフルなナイロン鞄で知られるアメリカのブランド、レスポートサックのショルダーバッグ(ハワイ限定商品だと都内のディスカウントショップの店員は言っていましたが、真偽のほどは定かではありません)で、ハワイを題材とした切手柄がちりばめられています。レスポートサックといえば、女性に人気のあるブランドですので、スーツ姿の男が持ち歩くのは抵抗があるのですが、このかばんの場合、茶系のカジュアルな格好なら、まぁ許容範囲かなと思ったわけです。で、鞄にプリントされている“切手”の大半は架空のものですが、なかには、実際の切手を取り上げたモノもありました。その部分と、オリジナルの切手の画像をお見せしましょう。

      レスポートサック(ハワイ・部分)     ハワイ・紋章1セント

 画像右の切手は、1894年に“ハワイ共和国“が発行した1セント切手です。

 1820年代以降、ハワイでは白人(その中心はアメリカ人)による捕鯨や白檀貿易などが行われるようになり、1835年からサトウキビのプランテーション栽培も始まりました。白人たちが上陸するようになると、ハワイには外来の疫病が蔓延し、ネイティヴ・ハワイアンの人口は激減。あわせて、アメリカ人によるプランテーション経営の規模は拡大の一途をたどり、ハワイにおけるアメリカのプレゼンスはますます増大していくことになります。

 こうした状況の中で、近代化の推進に伴うハワイ人の民族意識の高まりを背景に、ハワイ人による王制の強化を求める王制派と、アメリカ人資本家を中心に、王制を打倒しアメリカへの併合をめざす共和派の対立が深刻化。1887年、共和派はクーデタを敢行し、国王カラカウアに新憲法への署名を強要します。この新憲法は、国王の権限を大幅に制限して議会へ委譲するものでしたが、参政権が一部の富裕層にしか与えられていなかったため、実質的に、ハワイ人とアジア系移民の参政権を排除するものとなっていました。

 1891年、失意の中でカラカウアが渡米先のサンフランシスコで客死すると、後継女王として即位した妹のリリウオカラニは共和派との対決姿勢を強め、1893年1月14日、国王の権限強化を盛り込んだ憲法草案を閣議に提出します。これに対して、アメリカ公使のスティーヴンスは社会不安を理由に、1月16日、アメリカ海兵隊の“応援”を要請。海兵隊はイオラニ宮殿を包囲し、翌17日には共和派が政府庁舎を占拠し、王政廃止と“アメリカが正式にハワイを併合するまでの臨時政府(以下、臨時政府)”の樹立を宣言しました。これが、いわゆるハワイ革命です。

 共和派のクーデタによって臨時政府が発足したことに対して、当初、アメリカ政府は現地のアメリカ系財閥の暴走を苦々しく見ており、“革命”を不法なものとして、ハワイ併合を拒否。スティーブンス公使を更迭し、調査団を派遣しました。このため、臨時政府側は、1894年7月4日(アメリカ独立記念日)、ハワイ共和国の独立を宣言しました。

 今回、ご紹介の切手はそのハワイ共和国の切手の1枚で、共和国の国章が取り上げられています。国章のデザインが星条旗を意識して作られていることは明らかで、アメリカ本国への統合を求める共和国首脳部の意識がうかがえます。

 その後、1895年1月、王制派は反共和制の反乱を起こすものの失敗。リリウオカラニは逮捕され、女王廃位の署名を強制され、ハワイ王国は完全に滅亡しました。

 このハワイ王国の事例を思い起こすたびに、現在の民主党政権が導入を目指そうとしている外国人の地方参政権に対して大いに不安を感じるのは僕だけではないはずです。まぁ、この問題については、今後もこのブログで取り上げる機会があると思いますので、きょうのところはこのくらいで。


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