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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 この鞍の乗り心地は?
2010-01-12 Tue 11:33
 きのう(11日)、日本中央競馬会(JRA)の中山4R新馬戦(中山競馬場、ダート1800メートル)で、出走16頭中、9頭が落馬、6騎手がけがをする大事故が起きました。1レースで9頭落馬は史上最多だそうです。というわけで、きょうは年末に刊行の拙著『昭和終焉の時代』のなかから、馬具に関するこの1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      金堂透彫鞍金具

 これは、1989年6月30日に発行された「第3次国宝シリーズ」第7集の1枚で、「金銅透彫鞍金具」が取り上げられています。

 切手に取り上げられた金堂透彫鞍金具は、1848年8月、応神天皇の陵墓とされる誉田御廟山古墳(大阪府羽曳野市)の陪墳、古市丸山古墳から、2具の鞍金具と、金銅轡鏡板、金銅花形辻金具、鹿角装刀残闕、鉄鏃、鎧等残闕などとともに出土したもので、古墳出土の鞍の中でも最も優れたものとして国宝に指定されています。

 竜の文様が唐草ふうに透彫りされており、それぞれの竜が中央に向かう形で連続して配列されて鞍橋の表面全体を覆うデザインは、朝鮮半島・伽耶の古墳から出土した副葬品の文様とも酷似しています。大陸・朝鮮半島との交渉を物語る史料として価値が高いだけでなく、製法手法の精巧さや意匠の壮麗な点で古代美術工芸の面からも重要な一品で、現在は、誉田御廟山古墳のすぐ南側に鎮座する誉田八幡宮(祭神は応神天皇)の所蔵品です。

 なお、過去2回の国宝シリーズでは、考古資料は切手の題材選定に際して対象外とされていましたが、第3次シリーズでは、絵巻物などの絵画が最初から対象外とされ、代わりに、“考古”が含まれることになりました。今回ご紹介の金銅透彫鞍金具や第8集の金印ならびに神人車馬画象鏡などは、これに伴い切手に取り上げられたものです。

 ちなみに、1987年5月に発行が始まった「第3次国宝シリーズ」のうち、国内書状料金用の切手は、第6集までは額面60円でしたが、1989年4月1日の消費税導入に伴う郵便料金改正により、今回の第7集と次の第8集は額面が62円になりました。そういえば、きのうは成人の日で、テレビのニュースでも「20年前の出来事」として消費税導入の時のようすが取り上げられていましたな。

 余談ですが、きのうの大落馬事故は、ノボプロジェクトに騎乗していた三浦皇成騎手が、第4コーナーで斜行し、隣の馬を転倒させたのが原因でしたが、三浦騎手は1989年12月19日生まれですから、今回ご紹介の切手が発行されたときには、まだ生まれてなかったんですねえ。時代を感じるなぁ。

 
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