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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 切手で巡る庭園散歩:虎豹別墅
2010-01-18 Mon 11:57
 ご報告が遅くなりましたが、(財)建設業振興基金の機関誌『建設業しんこう』の1月号が出来上がりました。僕が担当している連載「切手で巡る庭園散歩」では、今月は、新年でもありますし、干支のトラにちなんで、この1枚をもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      タイガーバームガーデン

 これは、“返還”後の1999年に香港で発行された5ドル切手で、タイガーバームガーデンが描かれています。1999年に発行された香港の普通切手“新風景シリーズ”は、その名の通り、香港各地の名所を取り上げたもので、それらを組み合わせて地図上の場所を示した小型シートも発行されています。単片切手がどこかにあったはずなのですが、整理が悪くて出てこないので、小型シートの該当部分をトリミングしたモノをお見せします。

 香港にはかつてタイガーバームガーデン(中国語では“虎豹別墅”または設立者の名を冠した“胡文虎花園”)と呼ばれる庭園がありました。

 虎豹別墅は、万能軟膏薬として“タイガーバーム”こと“萬金油”を売り出し一代で財をなした胡文虎が、1935年、一族の私的な別荘として建設したもの。園内には、高さ44メートル、7層構造のパゴダを中心に、仏教や中国の故事・説話などから採った多種多様な像が所狭しと配されていました。いずれも極彩色でキッチュな庭園として観光客の人気を集めていたが、もともとは地獄と極楽のジオラマを通じて道徳や人の道を考える構成だったのだそうです。

 創立者の胡文虎は1954年に亡くなりましたが、その後、敷地は少しずつ切り売りされて高層マンション等が建てられていき、香港が中国に返還された後の2000年、老朽化のため完全に閉鎖され、一般の立ち入りは禁止されてしまいます。ただし、施設の一部は香港の二級歴史建築に指定されて保護の対象となっているため、現在でも取り壊されてはいません。

 切手は、閉鎖前年の発行ですが、園の外側からの眺めをとりあげており、公園の最大のウリとなっていた極彩色の像が見えないのは少し残念です。ちなみに、切手上の表示は、虎豹別墅ではなく胡文虎花園となっていますが、やはり、“タイガーバーム”という商品名につながる虎豹別墅よりは、創立者の名前の方が適切と判断されたのかもしれません。

 なお、香港返還前後の切手とその社会的な背景については、拙著『香港歴史漫郵記』でもいろいろとご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。

 * 第1回“テーマティク出品者の会”切手展は、昨日(17日)、盛況のうちに無事終了いたしました。御参観いただきました皆様には、あらためて、お礼申し上げます。

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