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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ライ麦畑の子供
2010-01-29 Fri 18:00
 1951年に発表された小説『ライ麦畑でつかまえて』で知られるアメリカの作家J・D・サリンジャーがきのう(現地時間27日)、ニューハンプシャー州の自宅で老衰のため91歳で亡くなりました。というわけで、きょうはこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      ベルギー・平和18年

 これは、1963年5月8日(第二次大戦での対独戦勝利の日)にベルギーが発行した“平和記念日”の切手で、ライ麦畑の中にいる子供が描かれています。文字通り、“ライ麦畑でつかまえて”といった光景でしょうか。

 サリンジャーは、1919年1月1日、ニューヨークで生まれました。1940年、雑誌『ストーリー』に処女作『若者たち』を発表し、作家としてデビューしました。1941年、『ザ・ニューヨーカー』誌に『マディソン街のはずれの小さな反抗』の掲載が決まっていましたが、太平洋戦争の開戦により無期延期となってしまいます。このことに腹を立てたのかどうかは知りませんが、翌1942年、志願して米軍に入隊。2年間の訓練を経て1944年3月、イギリスに派遣され、同年6月のノルマンディー上陸作戦に参加しました。

 その後、ドイツとの激しい戦闘体験から精神を消耗し、ドイツ降伏後は神経衰弱と診断されニュルンベルクの陸軍総合病院に入院。1945年11月に軍を除隊となって帰国し、翌12月に『ライ麦畑でつかまえて』の原型となる作品『僕は狂ってる』を雑誌『コリアーズ』に発表しています。

 ところで、二度にわたる大戦に際して、ベルギーはいずれも中立を宣言していたにもかかわらず、ドイツ軍に蹂躙されています。その理由はベルギーがドイツに対して積極的に敵対していたからではなく、ドイツ軍がフランスに侵攻する際の通り道にベルギーが位置していたためです。そして、こうした経験から、中立政策では国家の安全が保障されないと判断したベルギーは、戦後NATO軍に参加し、集団安全保障を国策の基本に据えることになります。

 ちなみに、通り道に位置しているといえば、わが国も、とくに沖縄などの南西地域に関しては、まさに中国大陸から太平洋に抜ける通り道に位置しているのですが、どうもそのあたりには無自覚な人が多いように思われてなりません。少なくとも、大陸からの通り道にある沖縄の問題をめぐって、わが国の集団安全保障体制が揺らいでいる(ようにみえる)ことに不安を覚えるのは僕だけではないはずです。


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