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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 日本海は日本海
2010-01-30 Sat 12:05
 韓国が日本海を“東海”と呼び、その呼称を世界的に広げようとしている問題で、遅ればせながら、日本政府は「日本海の名称は国際的に確立した唯一の名称であり、断固反駁するとともに、国際社会に対し、わが国の立場への理解を支持を求めてきている」とする答弁書を決定しました。というわけで、“日本海”の文字の入った切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      日本海ケーブル開通

 これは、1969年6月25日に発行された「日本海いケーブル開通」の記念切手で、ケーブル敷設船(KDD丸)と日本海の略図が描かれています。ソ連側へ“配慮”したためか、日本地図に北方領土の部分が全く描かれていないのは残念なことです。

 四方を海に囲まれたわが国にとって、衛星通信と並んで、海底ケーブルは重要な国際通信の手段となっています。

 このうち、太平洋地域との通信に関しては、1964年6月に日本=ハワイ間に太平洋横断ケーブル9800キロが敷設された ことに加え、1967年からは衛星通信も行われるようになるなど、比較的早くから環境が整備されていました。

 これに対して、西方のヨーロッパ、中東、アフリカ方面の通信環境の整備は大幅に遅れており、日本の経済発展に伴い日欧間の通信需要が急増すると、その改善を求める声が高まっていました。

 このため、1966年8月、グレート・ノーザン電信会社 と日本の国際電信電話会社(KDD)との間で「日本海ケーブル建設保守協定」が結ばれ、両社が共同して直江津=ナホトカ間の890キロに海底ケーブルを敷設し、日欧間に高品質・大容量の通信幹線を建設することになりました。

 これを受けて、1968年10月12日、KDDが直江津市五智海岸沖から日本側敷設工事を開始。一方、ナホトカ近海48キロの部分については、グレート・ノーザン電信会社が同年11月中旬までに敷設工事を完了しました。その後、1969年4月3日、ナホトカ近海から日本に向けて残された深海部分の敷設工事が開始され、同月12日、直江津沖合で最終の接続が完了。これにより、日欧間の通信能力は飛躍的に向上し、アジアの国際通信センターとしてのわが国の地位がいっそう向上することになりました。

 当初、今回の記念切手は、6月11日に行われる予定であったケーブルの開通記念式典にあわせて発行されることになっていましたが、ソ連側の事情で開通式の日程はたびたび延期され(4月12日に敷設工事を完了していた日本側には延期の理由はありません)、なかなか切手の発行日も確定しませんでした。ソ連側は開通式の日程を延期した理由を明らかにしていませんが、この年3月に中国との間で発生した国境紛争(ダマンスキー島事件)の影響で極東情勢が緊迫していたことが背景にあったのかもしれません。

 いずれにせよ、ソ連側との日程の調整はなかなかつかなかったため、切手の発行日を“6月(日付未定)”として周知していた郵政省は、工事が完了していたこともあり、記念式典を待たずに6月25日に切手を発行しています。ちなみに、最終的に東京・大手町の経団連会館で開通記念式典が行われたのは、切手の発行から1ヵ月後の7月25日のことでした。

 さて、この切手の地図を見ればわかるように、日本海は日本列島があることによってできた内海で、日本列島がなければ、その部分は単に太平洋の沿岸部というにすぎません。そういえば、韓国の前大統領は、日本海を“平和の海”と改称しようと提案したことがありますが、それって、日本(列島)の存在そのものを無視して、日本海の部分を太平洋の一部とみなすって意味だったんでしょうかねぇ。いずれにせよ、この部分を太平洋の延長ととらえるのではなく、独自の呼称をあてるのであれば、やはり、日本海以外の名称は考えにくいでしょう。これは、僕が日本人だから言うわけでなく、(韓国人を除く)世界中の人々が認めることと思います。

 なお、今回ご紹介の切手を含む書状料金15円時代の記念・特殊切手については、拙著『一億総切手狂の時代』でも詳しくご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。


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