内藤陽介 Yosuke NAITO
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 イラク議会選挙
2010-03-07 Sun 17:37
 イラク連邦議会選挙の投票が現地時間7日午前7時から始まりました。イラクで全国規模の選挙が行われるのは2003年以来5度目のことです。というわけで、きょうは最近のイラク切手の中からこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      イラク・反テロ

 これは、2008年にイラクで発行された“反テロ”宣伝の切手です。アラビア語で“No”を意味する“la”(印面中央右のXに見えるような文字です)の文字の間から、しゃれこうべを持つ手がにゅっと出ていて、左側におびえて泣く子の写真が取り上げられているのが印象的なデザインです。

 2003年の“イラク戦争”によってサダム・フセイン政権が崩壊した後、イラクはアメリカ・イギリスを中心とする有志連合の軍事占領下に置かれ、連合国暫定当局(CPA)によって統治されていましたが、2004年6月28日、国家の主権は暫定政権に移譲されました。これに伴い、有志連合軍は国際連合の多国籍軍となり、治安維持などに従事することになります。

 2005年1月30日に行われた議会選挙の結果、3月16日に国民議会が召集され、10月25日、新憲法が可決承認されます。これに伴い、12月15日、新生イラクの正式政府発足に向けた議会選挙が行われましたが、政権を巡りスンニ派とシーア派、クルド人勢力の対立から治安が極端に悪化し、イラク国内は実質的に内戦状態に突入しました。

 バグダードを始め都市部では自爆テロが相次ぎ、治安を維持するために米軍とイラク国防軍が介入したことで、これに反発するテロが発生するという悪循環で犠牲者は増大していったことは周知のとおりです。今回の議会選挙に際しても、反政府勢力は投票妨害を狙った攻撃を予告していましたが、はたしてバグダード市内では投票開始から数時間の内に30発以上の迫撃砲が発射され、うち3発は官庁や米大使館、軍施設などが集中する旧米軍管理区域(グリーンゾーン)に着弾。またバグダッド北東ではロケット弾で12人が死亡、8人が負傷する事態となっています。

 選挙後の新体制がどのようなものになったにせよ、イラクの治安を回復できるかどうかは甚だ心もとないというのが実情でしょう。“民主化”によって国民の言論の自由は保障されたものの、人々が生命の危険を身近に感じるようになっている状態と、秘密警察による監視の目が張りめぐらされた恐怖支配ではあっても、宗派対立が抑え込まれて治安はよい状態では、はたして、どちらの方が国民にとって幸福であるのか、なかなか判断に苦しむところですな。


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