内藤陽介 Yosuke NAITO
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 マリ連邦50年
2010-06-20 Sun 17:15
 わずか2ヶ月しか存在しなかった超短命国家・マリ連邦が1960年6月20日フランスから独立して、きょうでちょうど50年です。というわけで、きょうはこの1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      マリ連邦発足

 これは、1959年11月7日に発行されたマリ連邦発足の記念切手です。

 1958年、フランス植民地の再編がすすめられていく中で、西アフリカでは、フランス共同体内の自治権を持つ国として、スーダン(以下、今回の記事で“スーダン”という場合は、エジプトの南にある旧英領の国ではなく、旧仏領スーダンのことです)、セネガル、オートボルタ(現ブルキナファソ)、ダオメー(現ベニン)、ニジェール、トーゴ、象牙海岸(現コートジボワール)などの自治共和国がつくられました。このうちスーダンとセネガル、オートボルタ、ダオメーの4ヵ国は1959年1月、14世紀にニジェール川流域で繁栄した黄金の帝国“マリ”にちなみ、マリ連邦を結成することになりました。

 ところが、連邦のあり方をめぐっては、完全な独立国家を目指すスーダンおよびセネガルと、フランス共同体の中で対等な地位を目指そうとするオートボルタおよびダオメーが対立。1959年4月には、スーダンとセネガルだけでフランス共同体内のマリ連邦を結成し、翌1960年6月20日、同連邦として完全独立を達成します。今回ご紹介の切手が、1959年1月と表示されていながら、実際には、11月になってからの発行となったのも、こうしたごたごたがあったためでしょう。

 さて、連邦の首都はセネガルのダカールに置かれ、大統領にはとりあえずスーダン首相のモディボ・ケイタが、副大統領にはセネガル首相のママドゥ・ディアが就任しましたが、2ヶ月後の8月20日、セネガルが突如、連邦からの分離独立を宣言してしまいます。その背景には、両者のうち、人口・面積ともに少ないセネガルが経済的にはスーダンを圧倒しており、両者の政治的バランスをとることが困難だったという事情がありました。

 結局、マリ連邦の残った部分、すなわち、旧スーダン側は、連邦としてではなく、単独のマリ共和国として9月にあらためて独立。マリ連邦は、独立国としてはわずか2ヶ月という超短命国家に終わりました。

 そういえば、この記事を書いていて気がついたのですが、今年は、アフリカ大陸で多くの新興独立国が誕生し、“アフリカの年”とも呼ばれた1960年からちょうど50年ですな。これを機に、当時の独立国の事情などを、切手を通して眺めてみたりすると、いろいろと面白いことが見えてくるかもしれません。2010年も半分を過ぎようというところで“いまさら”感は強いのですが、どこかで、そういう企画を引き受けてくれないかなぁ。

 ★★★ イベントのご案内 ★★★

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      朝鮮戦争展

 6月25-27日(金-日) 10:30-17:00 入場無料
 於・切手の博物館(東京・目白)
 地図はこちら

 朝鮮戦争にまつわる切手・郵便物(当時のモノが中心です)など数千点を展示します。世界的に著名なコレクションの展示も複数あり、朝鮮戦争関連の切手・郵便物がこれだけまとまって展示されるのは、日本国内では初めてのことと思われます。

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