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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ウイグル騒乱から1年
2010-07-05 Mon 16:47
 昨年7月5日に中国・新疆ウイグル自治区(中国領トルキスタン)で、いわゆる“ウイグル騒乱”(中国当局から見れば“暴動”でしょうが、ウイグル側から見れば、南京虐殺事件ならぬ“ウルムチ虐殺事件”ですな)から1年が過ぎました。というわけで、きょうはウイグルがらみの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      新疆ウイグル自治区30年

 これは、1985年に中国が発行した“新疆ウイグル自治区30年”の記念切手の1枚で、油田と天池が描かれています。このうち、天池は有名な景勝地ですが、油田の方は特定の風景ではなく、一般的な油田のイメージとして描かれているのではないかともいます。

 さて、現在、中国の新疆ウイグル自治区となっている地域は、天然地下資源が豊かなことで知られています。

 たとえば、天山山脈とチベットとの境界の崑崙山脈に挟まれたタリム盆地の石油埋蔵量は10億トン、天然ガスは520億立方メートル、モンゴル国境のアルタイ山脈と天山山脈に挟まれたジュンガル盆地の石油埋蔵量は13億7000万トン、天然ガスは4100万立方メートルの埋蔵量にも達しています。また、アルタイ山系には銅、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、アルミニウム、モリブデン、天山山系には石炭、鉄鉱石、盆地部分には石油・天然ガスのほか、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウムなどの鉱産資源が豊富に埋蔵されています。

 さらに、トルクメニスタンの天然ガスやカザフスタンの原油は、いずれも、新疆ウイグル自治区のパイプラインを通じて中国沿岸部の工業地帯に運ばれることもあり、この地域の戦略的な重要性は中国にとって計り知れないものがあります。

 こうしたこともあって、中国側は新疆ウイグル自治区への漢族の移住を強く奨励し、ウイグルの漢族化を強烈に推し進めています。特に、近年、地下資源の開発ラッシュによって毎年2ケタの経済成長が記録されるようになると、ウイグルには多くの漢族企業が進出。自治区経済の9割以上をウイグル人ではなく漢族が握るようになっており、漢族とウイグル人の格差は拡大の一途をたどるばかりです。そのことが、ウイグル人の不満を増幅させ、昨年の騒乱の大きな要因の一つとなったことはいうまでもありません。

 今回ご紹介の切手は、まさに、ウイグルの石油は中国のものであることを高らかに宣言する内容となっているわけで、それだけに、ウイグルの民族主義者たちからすれば、許しがたいデザインの1枚といえそうです。

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