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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ビルマの×加刷
2010-11-14 Sun 21:46
 きのう(13日)、ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チーさんが約7年半ぶりに自宅軟禁から解放されました。というわけで、きょうはビルマがらみの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

         ビルマX加刷

 これは、日本占領下のビルマの切手つき封筒の使用例で、イギリス国王ジョージ6世の肖像部分がXで抹消されています。消印の年号が見えないのですが、裏面には1944年3月4日のマンダレー局の着印がありますので、1944年2月24日に試験局(Experimental Post Office)から差し立てられたものと思われます。

 さて、1週間ほど前の先週7日、ビルマでは1990年以来20年ぶりとなる総選挙が行われました。この選挙は、2008年に制定された新憲法に基づくものですが、同憲法によると、2院制の人民代表院と民族代表院の議席のうち、4分の1は国軍司令官が指名する軍人議席になっています。この軍人議席には、軍籍を離脱して親軍政党を組織した候補者が獲得した議席は含まれませんから、実質的に、国軍支持派が過半数を占めるには選挙で残りの3分の1を獲得すればよいことになります。

 じっさい、きのう(13日)、ミャンマー選挙管理委員会は国営テレビを通じ総選挙の結果を追加発表しましたが、それによると、約8割の開票結果が判明した時点で、軍事政権の翼賛政党“連邦団結発展党(USDP)”が連邦議会の下院(一般枠330)と上院(同168)の議席総数のうち約7割を獲得。あらかじめ割り当てられている軍人枠(下院110、上院56)と合わせると、新議会では軍政系の議員が約8割を占めることとなりました。

 今回の選挙に際しては、スー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)は選挙の無効を訴えて投票をボイコットしましたが、その結果として、獲得議席数は現時点で両院合わせて約10議席と惨敗。今回のスー・チーさんの解放も、圧倒的な権力基盤を確立した軍事政権側の余裕の表れといえるのかもしれません。

 なお、今回の選挙結果について、野党勢力は、USDPが票の買収や開票作業で不正を行ったと反発し、スー・チーさん自身も選挙での不正を追及する意向だそうですが、中国の支援を背景に西側からの民主化圧力をかわし続けて来た軍事政権にビルマ国民が自らX印をつけるのは、容易なことではなさそうです。 


* 昨日の『マカオ紀行』刊行記念トークは無事、終了いたしました。お集まりいただきました皆様には、この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。


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