FC2ブログ
内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 アイルランドが支援要請
2010-11-22 Mon 15:15
 深刻な財政難に陥っているアイルランドが21日夜(現地時間。日本時間では22日未明)、自力再建を断念し、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に財政支援を要請しました。これを受け、EUなどは支援を決定。今年5月のギリシャに次いでユーロ圏では2ヵ国目の救済国になります。というわけで、きょうはアイルランドの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        アイルランド自由国加刷

 これは、1922年に発行された“アイルランド自由国”加刷の切手です。

 1801年、グレートブリテンおよびアイルランド連合王国が成立すると、アイルランドは国外植民地としての自主性も失い、完全にイギリスに併合され、イギリスによるアイルランドの同化政策が進みました。これを不満として、アイルランドではイギリスからの分離・自治運動が激化。このため、1912年、アイルランド自治法案がイギリス下院に提出され、1914年9月に成立します。

 しかし、第一次世界大戦の勃発によりアイルランドの自治が凍結されたため、これを不満とする独立派は1916年の復活祭に“アイルランド共和国”の樹立を宣言し、武装蜂起しました。いわゆるイースター蜂起です。

 イースター蜂起はまもなく鎮圧されましたが、1918年の総選挙では独立派のシン・フェイン党が勝利し、1919年にアイルランド共和国の独立が宣言され、アイルランド独立戦争が勃発します。この結果、1921年、独立派とイギリスは英愛条約を結び、南部26州(南アイルランド)はイギリス国王を元首とする同君連合国家(ドミニオン)アイルランド自由国として分離することになりました。

 今回ご紹介の切手は、こうした状況の下で、1922年2月17日、イギリス切手に“アイルランド臨時政府(Rialtas Sealadach na hEireann) 1922”と加刷して発行されたもので、アイルランド自由国政府の正式発足までの移行期間の切手と使用されたものです。これに伴い、無加刷のイギリス切手は、1922年3月31日限りでアイルランドでの使用が禁止されました。ちなみに、アイルランド自由国 (Saorstat Eireann)加刷の切手が発行されたのは1922年12月11日のことです。

 その後、アイルランド自由国は1931年にウェストミンスター憲章が成立したことで、イギリスと同格の独立国(英連邦王国)となりましたが、1937年にはイギリス王冠から独立し、アイルランド(エール)と改称して共和制に移行。1949年にはイギリス連邦も離脱することになります。

 さて、ユーロ圏では、今回のアイルランドに続き、ポルトガルやスペインも巨額赤字に苦しんでおり、今後も金融市場で信用不安が消えなければ、ユーロ圏全体に危機的状況が波及する恐れがあるとされています。今年8月に刊行の拙著『事情のある国の切手ほど面白い』では、ユーロ圏での経済破綻の最初の国としてギリシャを取り上げましたが、同書の続編を作る機会があれば、ぜひとも、アイルランドについては1章を設けてみたいものです。


  ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★
         11月25日発売!


        マカオ紀行・表紙カバー

   マカオ紀行:世界遺産と歴史を歩く
       彩流社(本体2850円+税) 

   マカオはこんなに面白い!
   30の世界遺産がひしめき合う街マカオ。
   カジノ抜きでも楽しめる、マカオ歴史散歩の決定版!
   歴史歩きの達人“郵便学者”内藤陽介がご案内。

 全国書店・インターネット書店(amazonbk1boox storeconeco.netDMM.comHMVlivedoor BOOKSYahoo!ブックスカラメルセブンネットショッピング丸善など)で御予約受付中! 
スポンサーサイト

別窓 | アイルランド | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< 北朝鮮が延坪島に砲撃 | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  おかげさまで2000回>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/