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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 米韓合同演習はじまる
2010-11-28 Sun 16:06
 北朝鮮が韓国・延坪島を砲撃して朝鮮半島の緊張が高まる中、きょう(28日)からアメリカと韓国の合同軍事演習が朝鮮半島西側の黄海で始まりました。これに対して、北朝鮮の“後見役”である中国は演習に反対の姿勢を示しており、外交政策を統括する国務委員の戴秉国(先日、尖閣の問題で北京駐在の日本大使を深夜に呼びつけた無礼者)が急遽韓国入りして李明博大統領と会見するなど、彼らのいう“事態の鎮静化”に向けて慌ただしく動いています。というわけで、きょうはこんなものを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

        中朝友好・カバー

 これは、1953年3月2日、平壌から当時の東ドイツ・ベルリン宛の航空便で、右上には、1952年6月に発行された“中朝友好”の切手が貼られています。

 北朝鮮による南侵で1950年6月25日に始まった朝鮮戦争は、当初、北朝鮮側が圧倒的に有利でしたが、同年9月、国連軍が仁川上陸作戦を成功させたことで形勢は逆転。翌10月には、国連軍は中朝国境の鴨緑江にまで迫り、北朝鮮は国家滅亡の危機に追い込まれました。

 これに対して、中国は“唇滅べば歯寒し”として人民志願軍を派遣。以後、朝鮮戦争は実質的に米中戦争となり、国連軍は38度線付近まで押し戻され、戦況は膠着状態に陥りました。その後、1953年7月には休戦協定が成立し、北朝鮮国家は韓国侵略の責任を問われることなく、その存続を是認されることになったため、以後、中朝関係を“血の盟約”、“血の友誼”と位置づけ、中国をソ連と同様、最も重要な盟邦と位置づけるようになったのは広く知られているとおりです。

 今回ご紹介のカバーに貼られている切手も、そうした中国の支援に感謝するために発行されたもので、中朝両国の国旗を背景に、共通の敵(韓国・国連軍)と戦う両国兵士が描かれています。中国古典絵画の美女を描く封筒もまた、当時の“中朝友好”ムードを反映したものといえそうですが、北朝鮮支援のために東ドイツから派遣されてきたと思しき差出人に、中国と朝鮮の区別がついていたのかどうかは、ちょっと微妙なところがありますな。

 さて、中国にとって、北朝鮮が韓国に駐留する米軍に対する緩衝材としての役割を担っていることはいまも昔も変わりません。彼らが瀕死の北朝鮮国家を支え、黄海での米韓軍事演習に反対するのも、一義的には、そのためです。中国側は、今回の演習で空母が黄海に入れば首都・北京への攻撃が可能となるとも主張しているようですが、わが国の主要都市に向けて核ミサイルの照準を合わせている国の発言とはとうてい思えませんな。これで彼らが「己の欲せざるところ、人に施す勿れ」という孔子の言葉を思い出してくれればいいのですが、まぁ、外交というのは、国益のためには相手の嫌がることを積極的にやるのが王道ですからねぇ。福田元首相のように、無邪気に「隣国の嫌がることはしない」と言い放ってしまうほうが、国際社会では愚か者なのだという自覚は持っておいた方が良さそうです。


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