内藤陽介 Yosuke NAITO
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 南北戦争150年
2011-04-13 Wed 20:58
 きのう(12日)は、1861年4月12日にいわゆるサムター要塞の戦いが起こり、アメリカの南北戦争が始まってから150周年ということで、アメリカでは各種のイベントが行われたそうです。というわけで、きょうは南北戦争がらみのマテリアルです。(画像はクリックで拡大されます)

     愛国カバー(南北戦争)

 これは、星条旗を手に砲台に立つ女神・アメリカのイラストが印刷された“愛国カバー”で、南北戦争中にウィスコンシン州マディソンからオハイオ州コロンバス宛に差し出されました。

 日本人の感覚からすると違和感がありますが、アメリカ人の中には、さまざまな宣伝内容のイラストや文面の入った封筒を私信などに用いる人が少なくありません。ここで、宣伝の対象となっているのは、新商品やイベントの案内などにとどまらず、政治的な主義主張にいたるまで、実に多種多様ですが、特に戦時下において、戦意を高揚させ、愛国心を鼓舞する目的で制作・使用されるものは、愛国カバーと呼ばれることがあります。

 アメリカで愛国カバーの利用が始まったのは今回ご紹介している南北戦争の時代で、以後、2003年のイラク戦争にいたるまで、随時、さまざまな種類の愛国カバーが制作され、使用されています。

 愛国カバーに用いられる封筒は、政府や公的機関が作成するということはほとんどなく、たいていは民間業者が販売を目的として制作したものです。このため、それぞれの業者は、より多くの売上を得るために激しい競争を展開し、封筒のデザインや文言にもさまざまな趣向を凝らしています。その内容は、戦争の大義を掲げたり、戦争への協力を訴えたりするものから、敵国とその指導者を揶揄し、俗語や卑語、さらには差別的な表現などが用いられているものや、どぎついイラストのものまで、実にさまざまです。

 しかし、国家の名において発行されるがゆえに、一定の品位や節度を要求される切手が、ともすると優等生的すぎて、何重にもオブラートに包まれた表現しかできないのに対して、愛国カバーからは、国家の公式な言説からこぼれ落ちた、人々の生の感覚を感じ取ることも可能であり、その意味では、非常に興味深い資料ともいえます。
 
 なお、以前、平凡社から刊行した拙著『皇室切手』では、いわゆる太平洋戦争期の愛国カバーに描かれた敵国ニッポンと昭和天皇のカリカテュアを通して、“自由と民主主義のための戦”などという嘘っぽい大義名分とは別の、当時のアメリカ国民の本音を覗いてみようとしたことがあります。機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。


  ★★★ イベントのご案内 ★★★

     切手百撰ポスター(小)

 以前の記事でも少しお話ししましたが、4月25日付で平凡社から拙著『切手百撰 昭和戦後』を上梓いたします。これにあわせて、下記のイベントに登場します。

 ・4月30日(土) 15:00- 出版記念トーク
 於 東京・浅草 都立産業貿易センター台東館6階特設会場
 スタンプショウのイベントの一つとして、出版記念のトークを行います。また、会場内で『切手百撰 昭和戦後』をお買い上げの方に、素敵なプレゼントをご用意しております。(画像は、会場内に掲示予定のポスターです。こちらもご覧ください)

 ・5月7日(土) 10:15- 切手市場
 於 東京・池袋 東京セミナー学院
 詳細は主催者HPをご覧ください。最新作の『切手百撰 昭和戦後』を中心に、拙著を担いで行商に行きます。

 どちらも入場無料ですので、ぜひ、遊びに来てください。


  ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★

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