内藤陽介 Yosuke NAITO
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 Philatelic Jouranal
2011-05-06 Fri 11:55
 ご報告が遅くなりましたが、4月20日付で Stampedia Proroject による『Philatelic Journal』が刊行となりました。僕も、「テーマティク・コレクションとその要素」と題して、競争展におけるテーマティク作品の基本的な考え方について説明する一文を寄稿していますが、きょうはその中から、こんなマテリアルをご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

        ビルマ・開戦後カバー

 これは、1942年2月17日、在ラングーン(ヤンゴン)の英軍基地局からインド宛に差し出されたカバーです。

 日中戦争下において、いわゆるビルマ・ロードが蒋介石政権にとって重要な物資補給路となっていたため、日本側はビルマ・ロードによる米英の対中支援を遮断するためにさまざまな策を講じました。その一環として、ビルマの独立運動を支援することが計画され、1941年2月、陸軍大佐・鈴木敬司を長とする“南機関”が樹立され、独立の志士、アウンサンらとともに、ビルマ独立計画が動きだすことになります。

 同年12月8日、日本がイギリスに宣戦を布告すると、同月28日、アウンサンを中心とする140名のビルマ独立義勇軍が(BIA)がバンコクで編成されました。BIAは日本軍とともにビルマに進撃し、彼らが前進していくにつれ、多くの義勇兵たちがこれに参加しました。

 こうして日本軍とBIAは1942年3月7日、ヤンゴン(ラングーン)を占領し、4月末までに、ペグー、トングー、レパダウン、アラウンミョー、イェナンジョン、ロイコー、ラシオ、及びマンダレーの各地を占領しました。

 今回ご紹介のカバーは、日英開戦後、日本軍がビルマを占領するまでの間にイギリス側から差し出されたもので、僕のコレクションでは、日本軍占領後のカバーと対比して並べることで、日英開戦と日本軍によるビルマ占領を表現しています。

 競争展示における“テーマティク・コレクション”とは、「十分に計画されたプランに沿って、適切な郵趣材料を万遍なく集め、論理的に展開したコレクション」と定義されています。このため、テーマティク・コレクションで「知識と研究」という場合、いわゆる製造面や使用面などの一般的な郵趣知識にくわえ、できるだけ多種多様なマテリアルを作品中の適切な場所において展示することも評価の重要なポイントとなります。換言するなら、出品者の郵趣知識(の一端)は、展示されているマテリアルの多様性をもって評価されるということです。

 したがって、“昭和の戦争”を扱った僕のコレクションの場合、日本やその占領地のマテリアルと同等に、連合国側のマテリアルや、さらには、アフリカ中南米など、一見、日本の戦争とは無関係に見える地域の、当時のマテリアルも展示することによって、マテリアルの“多様性”をアピールするようにしています。

 今回刊行された『Philatelic Journal』では、テーマティク・コレクションの基本的な考え方について、自分のコレクションを素材としながら、その概略をご説明しました。機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。

 なお、同書の詳細や入手方法についてはこちらをご覧ください。また、あすの切手市場でも、僕のテーブルで同書を販売する予定ですので、お手に取っていただけると幸いです。


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 ・5月7日(土) 10:15- 切手市場
 於 東京・池袋 東京セミナー学院
 詳細は主催者HPをご覧ください。最新作の『切手百撰 昭和戦後』を中心に、拙著を担いで行商に行きます。

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