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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 アブダビ最初の切手
2006-01-15 Sun 10:27
 東京・目白の“切手の博物館”で開催中の<中近東切手コレクション>展(詳しくはhttp://yushu.or.jp/museum/toku/をご覧ください)は、いよいよ、本日が最終日です。本日は14:00からと15:30からの2回、展示解説を行いますので、ぜひとも、遊びに来ていただければ幸いです。
 
 さて、このブログでも何度か書きましたが、今回の展覧会では、僕は「中東戦争とその時代」と「アラブ土侯国の郵便史」の二つのミニコレクションを出品しているのですが、今日は、「アラブ土侯国の郵便史」の中から、こんな1枚をご紹介してみましょう。

アブダビ

 これは、1964年3月に発行されたアブダビ最初の切手が貼られたカバー(封筒)です。

 アブダビにおける近代郵便は、1960年に沿岸のダス島に暫定的な郵便局が置かれたことから始まります。

 当時、イギリスと休戦協定を結んで保護国になっていた“休戦協定諸国(trucial states)”のなかで、アブダビとドバイという“2大首長国”は積年のライバルとしてあらゆる面で張り合っていました。以前の記事(http://yosukenaito.blog40.fc2.com/blog-entry-102.html)でも書きましたが、イギリスが“休戦協定諸国”共通の切手を発行しようとした際「ドバイの風下に置かれるような扱いは真っ平ごめんだ」として、アブダビがその切手を拒否したことは、そうした両者の関係を象徴するエピソードといえます。

 結局、“休戦協定諸国”共通の切手を拒否したアブダビは、1963年3月、アブダビ市内に郵便局を設置。その1周年にあたる1964年3月から独自の切手を使用しはじめます。今回ご紹介しているのは、その切手が貼られたカバーです。

 その後もアブダビとドバイの対立関係は1960年代を通じて続いていくのですが、1971年、両者を含めた7首長国が集まって“アラブ首長国連邦”が結成されます。これは、イギリス軍がこの地域から撤退するため、対岸のイランの脅威に直接さらされることになった首長国が団結せざるを得なくなった結果でした。

 最近、イランの核開発問題がマスコミを賑わせていますが、隣接するアブダビやドバイにとって、その脅威はきわめて深刻なものであることは容易に想像がつきます。我々だって、核兵器を持っている対岸の大国ってのは、おっかなくてしょうがないのですから…。
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この記事のコメント
#23
中東切手展お疲れ様でした。小生としては中東近辺は収集の範囲ではありませんが、いつに無く興味深く拝見することができました。次回も期待しております。
2006-01-15 Sun 22:57 | URL | 大津太孝 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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