内藤陽介 Yosuke NAITO
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 パレスチナ、国連加盟を申請
2011-09-24 Sat 23:18
 パレスチナ自治政府のアッバス議長が日本時間のきょう(ニューヨーク時間で23日)、国連への加盟申請書を潘基文事務総長に提出しました。というわけで、きょうはこの切手です(画像はクリックで拡大されます)

        パレスチナ自治政府・国連参加

 これは、1998年にパレスチナ自治政府が発行した“国連参加”の記念切手です。

 国連におけるアラブ系パレスチナ人の代表としては、1974年にパレスチナ解放機構(PLO)が議決権を持たないオブザーバーとして参加を認められたのが最初のことです。

 1993年9月、イスラエルとPLOの相互承認とガザならびにイェリコ(ヨルダン側西岸地区の重要都市)でのパレスチナ人の自治を骨子とするオスロ合意が調印され、パレスチナ自治政府が発足すると、1998年にはパレスチナに、一般討論への参加、反論権、ほかの加盟国が作成するパレスチナなど中東問題に関する決議案を共同提案する権利などが認められました。これによりパレスチナ自治政府は、議決権を持たない以外は、他の独立国とほぼ同格に扱われることになりました。今回ご紹介の切手は、これを記念して発行されたものです。

 今回の加盟申請は、昨年9月の国連総会での演説でオバマ米大統領が「2011年9月までに国連に加盟したパレスチナ国家を見たい」と中東和平に意欲を見せたことが発端となっていますが、皮肉なことに、オバマ演説の直後にパレスチナとイスラエルとの和平交渉が頓挫。パレスチナ自治政府は、イスラエル側が第3次中東戦争での“占領地”への入植を凍結することを交渉再開の条件としたものの、イスラエル側はこれを無視して入植を継続したため、交渉が再開しない場合は単独の行動をとり、国連に正式加盟を申請すると宣言していたパレスチナ側も加盟を申請せざるを得なくなったという面があります。

 今回の国連加盟申請に関して、すでにアメリカは拒否権を行使することを明らかにしており、パレスチナ自治政府もそのことを織り込み済みですが、国連加盟国のうち、126ヵ国がパレスチナを国家承認しているという現状を踏まえ、国際世論の圧力を背景に、今後の対イスラエル交渉を有利に進めたいとの狙いがあるものと思われます。

 もっとも、肝心のパレスチナの足元では、アッバス議長率いる穏健派政府が掌握しているヨルダン川西岸(の一部)と、強硬派のハマスが実効支配しているガザ地区とが事実上の分裂状態に陥っていることもあり、イスラエルを相手にはたしてまともな交渉を展開することができるかどうかは心もとないのが実情です。

 いずれにせよ、1948年のイスラエル建国からだと60年以上、1967年の第3次中東戦争からでも40年以上(余談ですが、僕自身が1967年生まれですから、オギャーと生まれた赤ん坊が、現在の中年男になる年月、といえば、その長さがわかろうというものです)も解決できなかった問題が、そうそう簡単に解決できるはずもないのですが、現在のパレスチナ問題の出発点ともいうべきバルフォア宣言から100年となる2017年までには、多少なりとも、事態が進展していてほしいものですな。


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