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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 明日、トークやります
2011-11-18 Fri 00:07
 かねてご案内の通り、明日(19日)13:10より、東京・目白の切手の博物館3階で開催の(財)日本郵趣協会コーリア部会例会にて、拙著『ハバロフスク』の刊行を記念して、「金正日生誕の地、ヴャツコエを訪ねて」と題するトーク・イベントを行います。というわけで、きょうはこんなマテリアルを持ってきました(画像はクリックで拡大されます)

        ヴャツコエ葉書

 これは、第一次大戦中、ハバロフスクの捕虜収容所から中部シベリアのアチンスクの収容所宛てに差し出されたドイツ系捕虜のはがきですが、名宛人の所在不明でハバロフスクに戻される過程で、ヴャツコエの軍事施設を通過したことを示す印が押されているのがミソです。

 ヴャツコエは、ハバロフスクから北東方向70キロほど、アムール川沿いの小さな村で、帝政ロシア時代から軍の施設があります。ヤロスラヴリ州のニクラソフスキー地区の同じ地名と区別するため、ヴャツコエ・ナ・アムーレと呼ばれることもあります。

 北朝鮮の“首領様”こと金日成(本名:金成柱)は、1912年4月、平壌郊外の万景台の農家に生まれました。1931年10月、当時のコミンテルンの一国一党原則に従い中国共産党(以下、中共)に入党。1932年には、中共の指導下で、豆満江沿岸で抗日パルチザンを組織して抗日武装闘争を展開したといわれています。その後、1935年2月には中共系の東北人民革命軍第2軍第2独立師第1団第3師隊長に就任。その後、同じく中共系の抗日聯軍第1路軍第2軍第6師・師長、同第2方面軍・軍長として活動しました。

 パルチザン時代の彼の最大の“功績”とされているのが、1937年6月4日に起きた普天堡事件です。

 この日、金成柱ひきいるパルチザン部隊は、朝鮮と満洲国の国境地帯、咸鏡南道(現在の北朝鮮の行政区分では両江道)の甲山郡普天面保田里(普天堡)で駐在所を襲撃。一味は警察官の妻と幼子を殺害し、駐在所から武器弾薬を奪った後、面事務所(村役場)や郵便局も襲い、書類に火を放ったほか(その火は近隣の小学校にも延焼しています)、近隣の商店と住宅も襲撃に遭い、現金合計4000円を強奪しています。さらに、逃走途中で日本の警察となり、日本側は7名の警察官が殉職しました。

 事件後、首謀者の金成柱は2000円(最終的には2万円に増額)の懸賞首となったほか、当時の朝鮮の治安に責任を負う立場の日本側は、朝鮮内における非合法独立活動の取締りを強化。1937年10月には、共産ゲリラ勢力の指導者を一網打尽に逮捕する恵山事件が起こり、満洲との国境地帯での抗日武装闘争は事実上、不可能になりました。

 このため、金成柱を含む抗日パルチザンはあいついでソ連領内に逃亡。金成柱も1940年末ごろ、最初の妻である金貞淑とともにソ連領に逃れています。

 金貞淑は、1917年、咸鏡北道・会寧の生まれ。5歳の時に母親とともに満洲の間島へ渡りましたが、母の死後、1935年に16歳でパルチザン部隊に炊事婦として入隊。後に東北抗日聯軍第2軍第6師(師長・金成柱)の部隊付となり、1940年頃、金成柱と結婚しました。

 アムール川を渡ってソ連領内に逃れた東北抗日聯軍の面々は、沿海地方のヴォロシーロフ・ウスリースク郊外に北野営(または野営A)、トルクメニスタンのケルキ郊外に南野営(または野営B)を設け、ソ連軍の軍事訓練を受けています。その後、この野営地をベースに、満洲から逃れてきた中国人および朝鮮人の遊撃隊員による第88独立狙撃旅団(以下、88特別旅団)が編成されるのですが、その所在地が、ヴャツコエだったというわけです。

 金成柱も同旅団の第1独立狙撃大隊長としてソ連赤軍の大尉の階級を与えられ、中国共産党東北東組織特別支部局委員会常任委員、同委員会朝鮮工作団責任者などを歴任しつつ、ヴャツコエでソ連軍による軍事訓練を受けていましたが、金正日は、そんな金成柱・金貞淑夫妻の間に最初の子として1942年2月16日にヴャツコエで生まれたというわけです。

 今回のトークでは、そうしたヴャツコエを訪れたときに撮影した写真などもご紹介しながら、金正日の誕生前後のソ連と朝鮮人パルチザンの話などをする予定です。

  今回のコーリア部会例会は特別例会ということで、部会の会員でなくとも、どなたでも自由にご参加いただけます。また、トークのみのご参加の場合、博物館の入館料はかかりませんので、ぜひ、遊びに来てください。


 ★★★ トーク・イベントのご案内 ★★★

 11月19日(土)13:10より、東京・目白の切手の博物館3階で開催の(財)日本郵趣協会コーリア部会例会にて、拙著『ハバロフスク』の刊行を記念して、以下のトークを行います。

 ・題目 金正日生誕の地、ヴャツコエを訪ねて
 
 現在、北朝鮮当局は、金正日が北朝鮮内の白頭山中で生まれたと主張していますが、これは事実と異なり、金日成・金貞淑夫妻がソ連領内で軍事訓練を受けている間に生まれたことが確認されています。その具体的な生誕地については諸説がありますが、最も有力視されているのは、ハバロフスク近郊のヴャツコエです。

 拙著『ハバロフスク』では、本編とは別の“付録”として、近郊のヴャツコエを訪れた体験記も収録しておりますが、今回のトークでは、現在のヴャツコエのようすなどもご紹介しつつ、お話ししたいと思います。

 * 今回のコーリア部会例会は特別例会ということで、部会の会員でなくとも、どなたでも自由にご参加いただけます。また、トークのみのご参加の場合、博物館の入館料はかかりません。 


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