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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ビルマの農耕切手
2011-12-03 Sat 22:43
 米国務長官の56年ぶりの訪問とアウンサン・スーチーさんとの会談、そのスーチーさんの来年の議会補選への出馬表明、さらにはタイとの国境検問所の開放など、きのう・きょうはビルマ関連のニュースがいろいろありました。というわけで、ビルマのネタで行きましょう。(画像はクリックで拡大されます)

        ビルマ農耕(アンナ)

 これは、1942年6月15日、日本占領下のビルマで発行された農耕図案の1アンナ切手です。

 1941年12月8日、日本がイギリスに宣戦を布告すると、同月28日、アウンサンを中心とする140名のビルマ独立義勇軍が(BIA)がバンコクで編成されました。BIAは日本軍とともにビルマに進撃し、彼らが前進していくにつれ、多くの義勇兵たちがこれに参加しました。

 こうして日本軍とBIAは1942年3月7日、ヤンゴン(ラングーン)を占領し、4月末までに、ペグー、トングー、レパダウン、アラウンミョー、イェナンジョン、ロイコー、ラシオ、及びマンダレーの各地を占領しました。

 日本軍占領下のビルマでは、同年6月1日から郵便の再開が計画されていましたが、首都ラングーンの郵便局には、英領時代の切手はほとんど残っていませんでした。このため、日本の占領当局としては独自の切手を作らざるを得なくなり、5月下旬、郵便司政官・矢野静雄の命により、名古屋逓信局出身の書記官・加藤忠が新切手の図案を制作することになりました。加藤の切手原画は5月27日に完成しましたが、6月1日の郵便再開までには切手の製造は間に合わず、いわゆる矢野切手が暫定的に発行・使用されることになりました。

 切手の印刷は、ラングーン市内の三井物産の倉庫にあった赤インクを用いて6月11日から開始され、順次、軍政部に納入され、6月15日から発売が開始されました。なお、額面の1アンナは、当時の書状基本料金に相当しています。その後、占領ビルマの通貨がアンナ・ルピーからセント・ドルに改められたことに伴い、1942年10月、今回ご紹介の切手に5セントと加刷した切手が発行され、翌1943年3月には、同じ図案でセント額面の切手が発行されました。

 ここのところ、ビルマでも民主化の流れが加速しており、以前に比べれば外国人の入国も容易になったといわれていますが、それでも、なかなか行きづらい国であることには変わりありません。いずれ、かの国に行くことがあったら、切手でおなじみの水牛農耕の場面を拝んできたいと思っていますが、そのころには、ビルマでも機械化が進んでこうした光景はなかなか見られなくなっているかもしれませんな。

 * 本日の切手市場は無事、盛況理に終了いたしました。お越しいただきました皆様には、この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。


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