2012-01-23 Mon 11:57
きょう(1月23日)は春節です。というわけで、辰年の正式なスタートですから、きょうはストレートにこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、きょうから引換が始まった今年(2012年)の年賀小型シートです。かつて成人の日が1月15日に固定されていた時代には、年賀はがきの抽選が成人式と並ぶ1月15日の風物詩となっていたわけですが、いわゆるハッピーマンデーの導入により、成人の日が1月の第2月曜日となったことで、その前提が大きく変わってしまい、抽選日も近年は1月下旬の日曜日ということで毎年変わっています。その結果、今年に関しては、小型シートの引換日が新しい干支の始まる春節と重なったわけで、偶然とはいえ、タイミングがいいですな。 さて、今年の年賀切手の題材ですが、葉書用の50円切手が相模土鈴の“頭龍”、書状用の80円切手が土佐和紙雁皮張子の“龍”です。 相模土鈴は、神奈川県藤沢市白旗に在住の陶芸家、相沢伊寛が1955年から制作している土鈴で、その題材は動植物、乗り物、文化財など多岐に及んでいます。今回の“頭龍”は、地元に古くから伝わる「天女と五頭龍伝説」をもとにしたものと言われており、その姿については、民俗学者の南方熊楠や柳田国男の文献を参考にしたそうです。頭や口に縁起物の玉が置かれているのが特徴で、運気の上昇を願う意味が込められています。 一方、 土佐和紙雁皮張子は、越前和紙・美濃紙と並んで日本三大和紙のひとつとされる土佐和紙の中でも最高級の雁皮紙が使われており、張り子の中には、おめでたいといわれる無患子の実が入っています。 今回の切手に取り上げられた“龍”は、高知出身の女流画家で郷土玩具も制作していた山本香泉(初代)が制作していた香泉人形の流れをくむ土人形です。初代香泉は1963年に72歳で亡くなり、長女が2代目を襲名。弟とともに香泉人形の制作をつづけましたが、彼女も亡くなり、1993年を最後に制作が途絶えていました。その後、土佐民芸社に譲られた型を用いて、2002年以降、草流舎の田村多美が雁皮紙の張子として再現した作品の一つが、今回の切手に取り上げられた“龍”ということになります。 なお、お年玉の小型シートの歴史や、年賀切手と切手に取り上げられた郷土玩具については、拙著『年賀状の戦後史』でも詳しくご説明しておりますので、この機会に、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。 * 僕宛の今年の賀状の中では、青山光一さん、井上卓三さん、井部秀俊さん、小嶋泰史さん、村尾新一さん、それにセキスイハイム不動産株式会社東京営業所、(株)長谷工ハーベストの皆さんから頂戴した分がアタリでした。この場をお借りして、お礼申し上げます。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 年賀状の戦後史 角川oneテーマ21(税込760円) 日本人は「年賀状」に何を託してきたのか? 「年賀状」から見える新しい戦後史! ★ TBSラジオ・ニュース番組森本毅郎・スタンバイ(2011年11月17日放送)、11月27日付『東京新聞』読書欄、『週刊文春』12月1日号、12月1日付『全国書店新聞』、『週刊東洋経済』12月3日号、12月6日付『愛媛新聞』地軸、同『秋田魁新報』北斗星、TBSラジオ鈴木おさむ 考えるラジオ(12月10日放送)、12月11日付『京都新聞』読書欄、同『山梨日日新聞』みるじゃん、12月14日付『日本経済新聞』夕刊読書欄、同サイゾー、12月15日付『徳島新聞』鳴潮、エフエム京都・α-Morning Kyoto(12月15日放送)、12月16日付『岐阜新聞』分水嶺、同『京都新聞』凡語、12月18日付『宮崎日日新聞』読書欄、同『信濃毎日新聞』読書欄、12月19日付『山陽新聞』滴一滴、同『日本農業新聞』あぜ道書店、[書評]のメルマガ12月20日号、『サンデー毎日』12月25日号、12月29日付エキレピ!、『郵趣』2012年1月号、『全日本郵趣』1月号、『歴史読本』2月号、『本の雑誌』2月号で紹介されました。 amazon、bk1、e-hon、HMV、livedoor BOOKS、紀伊國屋書店BookWeb、 セブンネットショッピング、楽天ブックスなどで好評発売中! スポンサーサイト
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