内藤陽介 Yosuke NAITO
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 イラン軍艦、スエズ運河を通過
2012-02-19 Sun 23:22
 イランならびにシリアをめぐる状況が緊迫する中、イラン海軍の駆逐艦と補給艦の計2隻がスエズ運河を通過し、イスラエル沖の地中海を抜けてシリア西部タルトゥースに入港しました。というわけで、きょうはイランの軍艦切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        ジャマラン

 これは、昨年(2010年)イランで発行された駆逐艦ジャマラン就役の記念切手で、ペルシャ湾の地図を背景に、ジャマランと国旗を背にした最高指導者ハメネイの肖像がデザインされています。

 ジャマランは、昨年2月に竣工したイラン初の国産駆逐艦で、全長は94m、満載排水量1500トン超排水量約1400トン。後部デッキはヘリコプターが発着できる飛行甲板になっています。昨年の就役後、アデン湾の海賊出没海域周辺で海賊対処任務、付近海域を航行するイラン船舶に対する護衛任務を行っていますが、今回のスエズ運河通過には参加していません。

 今回、スエズ運河を通過したのは、駆逐艦のシャヒード・カンディと補給艦のハルグの2隻で、航海の表向きの目的は、カスピ海沿岸のイマーム・ホメイニ海軍大学の学生の訓練ということになっていますが、海軍司令官のハビーブッラー・サイヤーリーがメディアの取材に「イランの国力を示し、地域に平和と友好のメッセージを伝えるのが目的だ」と応じているように、軍事的な示威行為にして、友好国であるシリア・アサド政権への支持表明であることはだれの目にも明らかです。

 なお、イラン軍艦のスエズ運河通過は、昨年2月以来、1979年の革命後は2度目のことですが核開発問題をめぐってイランと激しく対立しているイスラエルは、昨年の軍艦通過の際委は、イランの“挑発行為”に対して激しく反発しています。今回の一件もイスラエルを刺激することは確実でしょうな。

 ちなみに、1967年6月に第3次中東戦争が勃発する直前、エジプトはシナイ半島の国境地帯に兵力を進駐させ、第2次中東戦争の終結以来駐留を続けていた国連緊急軍に撤兵を要求するとともに、イスラエルにとって紅海への出口となるチラン海峡を封鎖。さらに、エジプトとシリア、ヨルダンの間では軍事同盟が結成され、イラク、クウェート、スーダン、アルジェリアの各国も有事の際の派兵を約束していたことは見逃してはなりません。結局、イスラエルは、これら一連の状況を“挑発行為”と判断し、アラブ諸国に対して先制攻撃に打って出ることになります。

 まぁ、外交というのは「なめられたら負け」ですので、ある程度の示威・挑発が必要なことは十分に理解できるのですが、こと相手がイスラエルの場合は、ほどほどにしておいた方がいいんじゃないのかなぁ。


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