内藤陽介 Yosuke NAITO
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 フンボルトペンギンが脱走
2012-03-04 Sun 22:46
 東京都江戸川区の葛西臨海水族園から、フンボルトペンギンの幼鳥1羽が逃げ出して、隣接する旧江戸川河口を泳いでいたそうです。というわけで、きょうはフンボルトペンギンの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        フンボルトペンギン

 これは、2009年にチリで発行された“保護すべき鳥類”の切手のうち、フンボルトペンギンを取り上げた100チリ・ペソ切手です。切手上の通貨単位の表示は$ですが、これは“ドル”と読むのではなく、1975年に導入された現行のチリ・ペソを示す記号です。

 フンボルトペンギンは、ドイツの地理学者、アレクサンダー・フォン・フンボルトにちなんで命名されたペンギンの1種で、南米の太平洋沿岸に棲息しています。棲息地は、南緯5度のフォカ島(ペルー)から南緯42度のチロエ島(チリ)にまで及んでいますが、近年は、産卵場の環境破壊や餌となる魚の乱獲、さらにはエルニーニョ現象などにより個体数が減少したため、現在では、絶滅危惧種として、ワシントン条約付属書Iに指定されて売買が禁止されています。なるほど、今回ご紹介の切手をチリが発行したのは、自国の希少動物だったからという立派な理由があるわけですな。

 ところで、ペンギンというと南極のイメージと結び付けられることも多いのですが、上述のように、フンボルトペンギンは南緯5度という熱帯の地域にも棲息しており、極寒の地の動物というわけではなく、むしろ、日本の気候に合っているともいえます。このため、フンボルトペンギンは日本の動物園で最も多く飼育されるペンギンとなっており、その結果として、飼育技術も確立されることになりました。

 それどころか、わが国の動物園では、放置しておくと、フンボルトペンギンならびにケープペンギンとフンボルトペンギンの雑種が増えすぎて問題となるため、産卵された卵の大半を石膏や紙粘土などで作った擬卵とすりかえて繁殖を抑制しているほどだとか。もちろん、全世界的に見ればフンボルトペンギンは飼育の難しいペンギンとされており、種として絶滅の恐れがあることには変わりないので、南米では日本の繁殖・飼育技術を導入して効果を上げることが期待されているそうです。

 いずれにせよ、今回脱走したフンボルトペンギンにとっては、旧江戸川の環境というのも案外快適なものなのかもしれませんな。

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