内藤陽介 Yosuke NAITO
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 切手交換税証紙
2012-03-15 Thu 18:24
 所得税の確定申告は今日(15日)まででしたが、皆さんは無事に済まされましたか?手回し良く2月中に済ませたという方も多いのでしょうが、僕は今年もまた〆切ギリギリの提出で、ようやくホッと一息ついたというところです。というわけで、きょうは“税”ネタの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

        切手交換税証紙(1933)

 これは、1933年にソ連で発行された切手交換税証紙(英語では Philatelic Exchange Control Stamps と称されることが多いので、とりあえず、こう訳してみました)です。加刷がずれて、耳紙の部分に空押しの状態になっているので、文字部分が読みやすいかと思います。

 1920年代から30年代のソ連では、海外の収集家・切手商と切手の交換を直接行うことは禁じられており、かならず、ソヴィエト郵趣協会を通さなければならず、海外と交換する切手の評価(フランスのイベール・カタログが用いられたそうです)を申告し、それに応じた税を払うことになっていました。その際、郵便物は開封の状態で協会に持ち込まれ、協会がチェックしたうえで封を閉じ、今回ご紹介のような切手交換税証紙を貼って、差出人から税を徴収するというのが正規の手続きです。

 ソ連に限らず、共産主義諸国における切手収集家の立場には微妙なものがありました。というのも、彼らは、切手を政治宣伝(および資金獲得)の手段としてとらえ、自国の切手の収集を国民に奨励する一方で、切手の売買や交換などにより収集家が海外と接触したり、入手した外国切手を通じて当局が秘匿している情報を得たりすることに対しては強い警戒感を抱いていたからです。

 実際、スターリンの大粛清の時代、海外との文通・交信は秘密警察の監視対象となっていましたし、第二次大戦中、ソ連占領下のバルト三国では海外との交流がある切手収集家・切手商は秘密警察の監視対象になっていました。今回ご紹介の切手交換税証紙のシステムもそうした背景から生まれたもので、収集対象としては面白いのですが、これを実際に使わされるというのは勘弁してほしいですな。

 さて、一昨年昨年、確定申告期間最終日の3月15日には、切手紀行シリーズの前年刊行分にちなんで、ルーマニアとマカオのマテリアルを持ってきましたので、今回も『ハバロフスク』にちなんで、ソ連のマテリアルをご紹介しました。今秋、切手紀行シリーズの第5巻が無事に刊行されれば、来年もまた、3月15日にはその国にちなんだ“tax”ネタをご紹介する予定です。

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 (毎月第2火曜日)13:30~15:30

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