内藤陽介 Yosuke NAITO
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 14年ぶりのキューバ訪問
2012-03-29 Thu 21:42
 26日からキューバを訪問していたローマ教皇、ベネディクト16世が、現地時間の28日、フィデル・カストロ前国家評議会議長と会談しました。教皇のキューバ訪問は1998年のヨハネ・パウロ2世以来、14年ぶりとのことです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        教皇キューバ訪問(1998)

 これは、1998年の教皇訪問を記念してキューバが発行した切手の1枚で、教皇の肖像とハバナ大聖堂が描かれています。

 キューバはもとはスペインの植民地だったこともあり、国民の多くはカトリックの信者でした。しかし、革命を主導したフィデルが無神論者だったことに加え、キューバのカトリック教会がバティスタ政権と反革命派を支持していたこともあって、革命政権は司祭や尼僧ら約300人を国外追放した上、教会が所有していた学校を全て国有化するなどの弾圧政策を推進。これに対して、教皇ヨハネ23世はフィデルを破門するなどの対抗措置を講じ、両者の関係は長らく断絶していました。

 しかし、冷戦終結によりソ連などからの経済支援が断たれ、キューバが対外融和政策を展開するようになると、その一環として、1992年、フィデルの政権はキリスト教徒に対する融和制作を導入。はたして、教皇ヨハネ・パウロ2世はアメリカによるキューバへの通商停止に対して「不正で、倫理的に承諾しがたい」と非難を行い、バチカンとキューバの関係は劇的に改善します。そして、1996年11月、フィデルはヴァチカンを訪問して教皇に謁見。キューバの宗教弾圧政策は事実上、放棄されました。さらに、1998年の教皇のキューバ訪問を受けて、キューバ政府はクリスマスを再び休日とするなど、関係改善はさらに進んでいます。

 ちなみに、今回の教皇のキューバ訪問は、1612年にキューバの守護聖人とされる“カリダデルコブレ聖母像”が発見されてから400年になるのを記念してのことだそうですが、フィデル引退後のラウル・カストロ政権としては、教皇の訪問を受け入れることで、現政権が宗教活動に対して寛容で開放的であることを世界に向けて発信しようとする意図があるとみられています。

 なお、フィデル引退後のキューバと切手については、拙著『事情のある国の切手ほど面白い』でも1章を設けて解説しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。

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