内藤陽介 Yosuke NAITO
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 金星の太陽面通過
2012-06-06 Wed 16:32
 今日は西日本を中心に、太陽、金星、地球が完全に1直線に並び、地球からみて金星が太陽の光球を横切るように見える“金星の太陽面通過”が観測されました。というわけで、この切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        金星の太陽面通過

 これは、1969年にニュージーランドが発行した“ジェームズ・クックのニュージーランド到着200年”の切手のうち、金星の太陽面通過とその観測を取り上げた1枚です。

 1756-63年の七年戦争で、セントローレンス川河口の測量と海図作成を任され、ウルフ将軍の奇襲上陸作戦の成功に大いに貢献したクックは、戦後、ニューファンドランド島海域測量での功績により、英国海軍本部と英国王立協会から注目される存在となっていました。

 こうした実績のゆえに、1766年、王立協会は1769年に予想される金星の日面通過の観測のため、クックを南太平洋へ派遣することを決定。準備期間の後、1768年、クック率いるエンデバー号は英国を出帆し、1769年4月13日、南米大陸南端のホーン岬を東から西に周航して天体観測の目的地であるタヒチに到着しました。ちなみに、日面通過は6月3日でした。

 観測を担当したのは、王室天文官(グリニッジ天文台長)ネヴィル・マスケリンの助手、天文学者チャールズ・グリーンで、観測の目的は、金星の太陽からの距離をより正確に算出するための測定でした。今回ご紹介の切手は、この出来事を表現したものです。

 さて、天体観測が終了すると、クックは海軍本部の追加命令に従って南太平洋を探索。原住民の協力を得て、1769年10月6日、ヨーロッパ人としては1642年のアベル・タスマン以来の2人目のニュージーランド到達を達成し、ニュージーランドの海岸線のほぼ完全な地図を作製するとともに、ニュージーランドの北島と南島を分ける海峡(クック海峡)を発見しました。

 さらに、クックは航海を続け、暴風で北寄りに流された結果、ヨーロッパ人として初めてオーストラリア大陸の東海岸に到達。海岸線を測量しながら北進し、オーストラリアとニューギニアが陸続きでないことを確認すると、1770年8月22日にポゼッション島に上陸し、オーストラリア東岸の英国領有を宣言しました。

 その後、一行はバタヴィ(現ジャカルタ)、ケープタウンを経て、1771年6月12日午後、英国に帰国しました。

 なお、先月の皆既日食のときの記事をアップした際、思い込みで「さすがに“金星の太陽面通過”は発行されていないでしょうから云々」と書いたのですが、今回ご紹介の切手を含め、クックの航海に絡めていくつかの切手が発行されていることを、読者の“桃姫の衛兵”さんからご教示いただきました。この場をお借りして、お礼申し上げます。


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この記事のコメント
#2196 いえいえ
ご教示などと言われると・・・(汗)
ほんとうに差し出がましいことをいたしました。
興味本位でグ-グル検索して、たまたま引っかかっただけなのですから。
クック船長の探検に、今回のような天文ショーが関係していたとは、全く知りませんでした。
歴史というやつは、本当に面白いものですねぇ。
2012-06-07 Thu 08:42 | URL | 桃姫の衛兵 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 ・桃姫の衛兵様

 典型的な文系人間ですので、自然現象についてはどうしても関心が薄くなりがちです。今後とも、いろいろと教えていただけると幸いです。
2012-06-13 Wed 23:51 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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