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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 native place
2006-02-16 Thu 09:48
 今日は2月16日、“将軍様”こと金正日の誕生日です。かの国では、毎年この日に盛大なイベントが繰り広げられ、記念切手も発行されているのですが、その中からこんな1枚を取り上げたいと思います。

白頭山頂の金正日

 これは、1992年の“将軍様”の誕生日に発行された小型シートで「白頭山の吹雪」と題するプロパガンダ絵画が取り上げられています。

 1991年12月に彼が朝鮮人民軍最高司令官に就任して最初の誕生日に発行されたということもあって、雪深い白頭山の山頂に立つ“将軍様”(それにしても、この絵の“将軍様”カッコ良いですねぇ。別人みたい)と彼に続く人民軍将兵の隊列を描き、最高司令官の地位を象徴的に表現する画面構成となっています。まぁ、見ようによっちゃ、“将軍様”だけが元気で、残りの人民は吹雪にさらされながら行軍している、という現実を表現しているようにも見えなくないのですが…。

 北朝鮮のプロパガンダ絵画にはいくつかのスタイルがありますが、その一つに、ナポレオン時代のフランス古典主義の大家・ダヴィドのスタイルを真似るというパターンがあります。「白頭山の吹雪」は、明らかに「アルプス越えのナポレオン」を下敷きにしたものですが、その他のプロパガンダ絵画の元ネタ探しをやってみるのも面白いかもしれません。

 作品の部隊となった白頭山というのは中朝国境の山で、朝鮮民族にとっては彼らの建国神話にも関わる聖なる山とされています。歴史的事実としては、金正日はハバロフスク近郊で父親の金正日がソ連軍大尉として訓練を受けていたときに生まれたわけですが、北朝鮮当局は「“将軍様”は“首領様(=金日成)”の革命家の血脈を受け継いで聖なる白頭山で生まれた」ということを強調していますので、2月16日のお誕生日には、必ず、白頭山が登場してきます。この絵では、バックに天池(白頭山頂のカルデラ湖)の特徴的な景観が見えるので、人民はすぐに作品の舞台が白頭山であると了解できる仕組みになっているわけです。

 ところで、画面右上の「白頭山は私が生まれた場所だ」という趣旨の英語の記述が“Mt.Paekdu is my native place.”とあるのは、英語の表現としてどうなんでしょうねぇ。外国旅行の時に書かされる入国の書類では出生地の欄は“birth place”とか“place of birth”となっていた気がするんですが…。まさか、“万能の天才”ということになっている“将軍様”が間違えるなんてことはありえないでしょうから、世界各国の入国審査の書類のほうが間違っているということなんでしょうね。すくなくとも、かの国に問い合わせたら、そういう答えが返ってきそうな気がします。
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この記事のコメント
#57
今日は何が登場するか楽しみにしておりました。
何だか演歌の世界みたいですね。だけど、日本だと吹雪の中で外套の襟を立てて、背中を丸めるイメージですが、将軍様は吹雪に向かって背筋を伸ばしているというのが、さすがは偉大なる将軍様って感じぃ。
2006-02-16 Thu 23:12 | URL | Isaac #CYZAy5w2[ 内容変更] | ∧top | under∨
 Isaac様
 いつもありがとうございます+例によって亀レスになって申訳ありません。
 >>何だか演歌の世界みたいですね
 演歌の心はアジア共通ってことでしょうか。なんだか、荒川が金メダルを取った瞬間に“同じアジア人として・・・”と言い出した中共様にも通じる部分を感じてしまいます。
2006-02-26 Sun 17:02 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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