内藤陽介 Yosuke NAITO
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 乃木希典殉死100年
2012-09-13 Thu 23:19
 1912年9月13日、明治天皇大喪の日に乃木希典大将が殉死して、今日でちょうど100年です。というわけで、きょうは乃木大将がらみのマテリアルということで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

        乃木2銭(朱色)

 これは、乃木大将の肖像を描く2銭切手のうち、朱色に分類される切手の銘版つきブロックです。

 1935年7月、逓信省は、1936年中をめどに、風景や人物などを題材とする新切手を発行する方針を決定。しかし、そのための実務作業は遅れ、“改正郵便切手圖案審査委員会”の第1回会合が開催されたのは、1937年3月27日のことでした。すでに、4日後の4月1日から、郵便料金が改正され、書状の基本料金が3銭から4銭に、葉書料金が1銭5厘から2銭に、それぞれ値上げされることが決まっていたため、委員会では、まず、2銭・4銭切手ならびに新額面の葉書の印面の図案の審議が行われました。

 会議の席上、郵務局長から、4銭切手の図案は東郷元帥、2銭切手の図案は乃木大将、葉書の印面は楠公銅像とする方針が説明され、討議が行われました。その際、東郷元帥の肖像については、出席した委員からいろいろとクレームが出たものの、乃木大将の肖像については、殉死当日の写真を使用することですんなりと決定しています。

 切手のデザインは、当時のドイツの通常切手(大統領ヒンデンブルクの肖像が描かれていた)にならい白線彫刻で肖像を表現したもので、1945年まで発行・使用が続けられました。初期の切手は紅赤色に白線がくっきりと浮かび上がる美しい切手でしたが、太平洋戦争の開戦後は次第に切手の品質も劣化し、末期には、肖像がほとんど潰れてしまった幽霊のような切手も出回っています。なお、今回ご紹介の朱色の切手は、1944年10月に出現しました。

 このように、乃木2銭の切手は、昭和の戦争の時代を象徴する切手といえますが、それが実際に郵便に使われた事例については、先日、電子書籍化された拙著『切手と戦争』でもいろいろとご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。

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