内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 切手に描かれたソウル:オリンピック公園
2012-09-22 Sat 12:43
 『東洋経済日報』8月31号が刊行されました。僕の月1連載「切手に描かれたソウル」では、8月はオリンピック月だったことを踏まえ、オリンピック公園の切手を取り上げました。ブログでのご報告が遅れ、すっかり時季外れの内容になってしまいましたが、きょう・あす(22・23日)、オリンピック公園内では“漢城百済文化祭”が行われるということなので、まぁ、大目に見てやってください。(画像はクリックで拡大されます)

      ソウル・オリンピック公園     オリンピック公園・記念塔

 左側は、1988年9月に発行されたソウル五輪の記念切手のうち、オリンピック公園のシンボルタワー(平和の門)を取り上げた切手です。右側には、実際の“平和の門”の写真を貼っておきました。

 蚕室地区のオリンピック公園は、ソウル五輪を記念して造られた公園ですが、実際のこけら落としは、プレ五輪ともいうべき1986年のアジア大会でした。

 1988年のソウル五輪に際しては、敷地内の蚕室競輪場(自転車競技トラックレース)、体操競技場、レスリング競技場、フェンシング競技場、オリンピックテニスセンター、オリンピックホール、夢村土城(近代五種ランニング)が各競技の会場となり、大会終了後、これらを含む総面積43万坪の敷地が公園として整備されました。

 ソウル五輪当時は地下鉄2号線の蚕室駅を降りてオリンピック路を東へ歩き、公園南西の“平和の門”をくぐって競技場へ向かうというのが一般的なアクセスでしたが、現在は、2号線蚕室駅のあたりからオリンピック路の下を通る地下鉄8号線の夢村土城駅で降りると“平和の門”のすぐ目の前に出ます。なお、地下鉄5号線にオリンピック公園という駅がありますが、こちらで降りると敷地の南東、競技場が集めるエリアが近くなります。

 さて、現在、8号線の夢村土城駅を降りると、いたるところにフィギュアスケートの金妍児をはじめウィンター・スポーツの巨大な写真が掲げられ、2018年に平昌で開催予定の冬季五輪のことが大々的に宣伝されいるのが目につきます。(下は地下鉄の夢村土城駅入口に掲げられた金妍児の写真)

      オリンピック公園・地下鉄夢村土城駅入口

 金妍児の写真は国会議事堂内の“韓国の歩み”といったパネル展示にも登場するのですが、次のソチ五輪(2014年)で新たな韓国人金メダリストが誕生したら差し替えになるのかもしれません。

 地下鉄の駅を出てトーテムポール風の柱が並ぶ広場を通って“平和の門”の前に立つと、なるほど、高さは24m、屋根の幅62mというその大きさを実感できます。かまぼこをひっくり返したような屋根の装飾は、遠目にはただ単にカラフルなモザイクにしか見えなかったのですが、真下で見ると、現代風にアレンジされた四神(青龍・白虎・玄武・朱雀)であることがわかります。

 門の真下には、消えることのない“平和の火”がともされており、台座にはソウル平和宣言がフランス語・韓国語・英語の三か国語で刻まれています。

 今回ご紹介している1988年の記念切手では、門の後ろには何も描かれていませんが、実際には、五輪開催を祝うモニュメントが建てられており、その周囲には万国旗が掲げられています。おそらく、五輪の開会後に設営されたもので、切手の制作時期にはまだなかったのでしょう。

 なお、モニュメントは東西の宥和の始まりとオリンピックの平和精神を表現したものということで、足元の碑文には当時の大統領、盧泰愚の名前も刻まれています。

 ロンドン五輪の男子サッカーで日本との3位決定戦に勝利した後、韓国チームの朴鍾佑が「独島は我々の領土」と書かれた紙を掲げてグラウンドを走り回ったことについて、IOCがメダルの取消を検討しているのは、彼の主張の当否以前に、五輪に領土問題という政治を持ち込むことが、そもそもモニュメントにも刻まれた五輪の精神に違反するからに他ならないのですが、どうも彼らはそのことを理解していないようですな。あるいは、金泳三時代の“歴史の清算”を経て、犯罪者となった元大統領の名の下に刻まれた五輪の平和精神もまた、過去のものとして葬り去られてしまったということなのかもしれません。

 ★★★ 内藤陽介、カルチャーセンターに登場 ★★★
   
 10月から、下記の通り、首都圏各地のよみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)で8月の韓国取材で仕入れたネタを交えながら、一般向けの教養講座を担当します。詳細につきましては、青色太字をクリックしてご覧いただけると幸いです。皆様のご参加を心よりお待ちしております。(掲載は開催日順)

 T-moneyで歩くソウル歴史散歩 
・よみうりカルチャー荻窪
 10月2日、10月30日、12月4日、1月29日、2月5日、3月5日 13:00-14:30

 * 10月2日は公開講座として、お試し聴講も可能です。
 
・よみうりカルチャー北千住
 10月17日、12月19日、1月16日、2月20日、3月20日 13:00-15:00


 ★★★★ 電子書籍で復活! ★★★★

 歴史の舞台裏で飛び交った切手たち
 そこから浮かび上がる、もうひとつの昭和戦史

         切手と戦争

   『切手と戦争:もうひとつの昭和戦史』
    新潮社・税込630円より好評配信中!
    出版元特設HPはこちらをクリック

 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。
スポンサーサイト

別窓 | 韓国:盧泰愚時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< シャルジャー展出品作品決定 | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  110万PV>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/