内藤陽介 Yosuke NAITO
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 韓国次期大統領は朴槿恵
2012-12-20 Thu 21:06
 きのう(19日)、投開票が行われた韓国の大統領選挙は、与党セヌリ党の朴槿惠候補が勝利しました。というわけで、この切手を持ってきました。

        陸英修

 これは、1974年11月29日に発行された朴正煕大統領(当時)夫人にして朴槿惠次期大統領の母である陸英修の追悼切手です。

 陸英修は、1925年11月29日、日本統治時代の朝鮮・忠清北道沃川郡で生まれました。培花高等女学校(現・培花女子高等学校)卒業後、1950年に、陸軍中佐時代の朴正煕と結婚しました。

 温厚な人柄で知られ、 孤児院や保育園、ハンセン病患者の収容施設ベトナム戦争派遣将兵の家族や災害現場などをしばしば訪問し、不遇の人々を慰め、勇気づけたほか、子供大公園や子供会館、貧困者を対象とする職業訓練施設を設立するなどの福祉活動に尽力し、ファーストレディとして尊敬を集めました。こうしたこともあって、夫の朴正煕大統領の強権姿勢に反感を持つ人々の間でも、“国母”として人気がありました。

 ところが、1974年8月15日、ソウル・南山の奨忠洞国立劇場大ホールで開かれた光復節記念式典会場において、朝鮮総連の指示と援助を受けた在日朝鮮人、文世光による大統領暗殺未遂事件が発生。その際、夫人は文の撃った銃弾が頭部に命中し、亡くなりました。享年49。

 夫人がなくなった当時、22歳だった朴槿惠は、西江大学を卒業後、電子工学の研究のためにフランスに留学していましたが、急遽帰国。以後、1979年に朴正煕大統領が暗殺されるまで、“ファースト・レディ”として父親を支えました。

 今回の大統領選挙に際して、反朴槿惠陣営は、執拗な朴正煕批判を行い続けた結果、9月24日には、彼女自身が父親の独裁を謝罪する記者会見を開かざるを得ない状況に追い込まれています。

 かつて、2001年に当時の金大中大統領がベトナムのチャン・ドゥック・ルオン国家主席に対して、朴正煕政権下での韓国軍のベトナム戦争参戦を謝罪した際、朴槿恵は、「これは朝鮮戦争のとき、韓国の自由と民主主義を守るために戦った16ヵ国の将軍や指導者が金正日に『不幸な戦争に参加して北朝鮮の国民に苦痛を与えたことを謝罪する』というのと同じくらいとんでもないことだ」と批判したこともあり、朴正煕の娘であるがゆえに朴槿惠を支持してきた人々の中には、今回の選挙戦でも、左派陣営の攻撃に対して毅然とした態度を取ってほしかったという声が少なからずあったようです。ちなみに、2001年の彼女の発言のロジックを敷衍すれば、日本が特定のアジア諸国に対して謝罪しつづけるということも“とんでもないこと”ということになりそうですが、まぁ、今日のところは、何も言いますまい。

 しかし、金大中・盧武鉉と左派政権が2代続いたことで、韓国メディアの内部では左派系の影響力が相当強まったこともあり、メディアを敵にできない“候補者”の立場にあった彼女としても、妥協の産物として9月24日の会見を余儀なくされたという面は否定できません。

 こうしたこともあって、選挙戦終盤の朴槿恵は、“国母”として尊敬を集めた陸英修のイメージを連想させる言動を意識的に行っています。たとえば、選挙戦最終日の18日、支持者の前で「(独身の)私には面倒をみる家族も、財産を譲る子供もいない。国民が私の家族で、家族のためにすべてをささげる母の気持ちで国民に尽くす」と演説したのは、その典型的な事例と言えましょう。

 いずれにせよ、韓国社会における保守と左派(ないしは革新)の間には、長年にわたって深刻な亀裂が生じており、それが今回の大統領選挙で一層深刻化したという面は否定できません。新政権にとっての最大の課題の一つが“国民和解”にあるとするなら、当面、朴槿恵は、“朴正煕の娘”以上に“陸英修の娘”という自己演出を迫られることになりそうです。まぁ、我々としては、“困った時の反日頼み”に走るのは、良い加減、勘弁してもらいたのですがね。
 

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