内藤陽介 Yosuke NAITO
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 小さな世界のお菓子たち:レープクーヘンの切手
2012-12-22 Sat 15:02
 大手製菓メーカー(株)ロッテの季刊広報誌『Shall we Lotte(シャル ウィ ロッテ)』の第18号(2012年冬号)ができあがりました。僕の連載「小さな世界のお菓子たち」では、今回は、クリスマス・シーズンでもありますので、こんな切手を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

        東独・ビスケット

 これは、1969年に東ドイツ(当時)で発行されたクリスマス切手で、左はレープクーヘンの焼型、右は男女のペアをかたどったレープクーヘンが描かれています。

 クッキーやビスケットの原型といわれるレープクーヘンは、シュトーレンと並んで、クリスマスの時期のドイツを代表する焼き菓子で、一説には、童話の「ヘンゼルとグレーテル」に登場するお菓子の家の材料ともいわれています。

 レープクーヘンは、アーモンド、スパイス、蜂蜜、オレンジやレモンのピールを合わせた生地をオブラートに塗るように盛って焼きます。その発祥には諸説ありますが、ベルギーのディナンで考案された焼き菓子が、ベルギー・オランダとの国境に近いドイツの街、アーヘンに受け継がれ、そこから各地の修道院に広まり、14世紀に南ドイツ、ニュルンベルクの修道院で作られていたものは、現在の姿とほぼ同じであったと考えられています。

 修道院でレープクーヘンが好んで作られたのは、長期の保存が可能なためで、もともとはクリスマスの時期に限らず、復活祭や四旬節(復活祭の日曜日を除く40日前=日曜日を含めると46日前の水曜日から復活祭前日までの期間のこと)の際にも“料理”の一品として、ビールなどとともに供されていました。たしかに、レープクーヘンに使われるスパイスは、シナモン、クローブ、アニスが基本で、これに、カルダモン、コリアンダー、ショウガ、ナツメグが加わることもありますから、蜂蜜の甘みを抑えれば、ビールとの相性も悪くなさそうです。

 さて、ドイツでは、毎年、クリスマスの4週間前の日曜日からアドベントと呼ばれるクリスマスの準備期間が始まり、多くの家庭では、レープクーヘンづくりが行われます。レープクーヘンづくりはクリスマス前、初冬のドイツの風物詩となっており、家庭によっては、この期間に冬の間のクッキーをまとめて焼いてしまうこともあるのだとか。

 今回ご紹介の切手は、それに合わせるかのように、1969年11月25日に東ドイツで発行されたもので、右側の切手のレープクーヘンは、生地にチョコレートを練りこみ、ピンクのアイシングなどで装飾を施しているのが、何とも楽しげな雰囲気です。

 生地を成型してオーブンに入れたら、焼き上がるまでの間に、レープクーヘンの切手を見ながら母娘で一緒にクリスマスカードを書いている――かつての東ドイツの家庭で見られたであろう、そんな光景が目に浮かんできそうです。


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