内藤陽介 Yosuke NAITO
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 切手に描かれたソウル:大統領鳳凰標章
2013-03-07 Thu 21:00
 ご報告が遅くなりましたが、『東洋経済日報』2月15日号が刊行されました。僕の月1連載「切手に描かれたソウル」では、今回は新大統領の就任にちなんで、この切手をご紹介しました。(画像はクリックで拡大されます)

        朴正煕大統領就任(1971)

 これは、1971年7月1日に韓国で発行された第7代大統領(朴正熙個人としては3期目)就任の記念切手で、朴正煕の肖像に、いわゆる漢江の奇跡の象徴ともいうべき高速道路と制定されてまだ日も浅い大統領鳳凰標章を組み合わせたデザインとなっています。

 朝鮮王朝時代から、鳳凰は君主の象徴の一つとして用いられ、大韓民国の成立後も国家や大統領の象徴として使われてきましたが、必ずしも決まった形式のものがあったわけではありませんでした。

 現在の大統領標章が正式に制定されたのは1967年1月31日に「大統領標章に関する公告第7号」が発せられてからのことですが、その詳細な制定過程などについては資料が残っていないそうです。ちなみに、今回ご紹介の切手は、この標章を取り上げた最初の切手ということになります。

 さて、大統領鳳凰標章は韓国の国花・ムクゲを中心に向かい合った鳳凰を描くデザイン。伝統的な文様では、雄の鳳と雌の凰に分けられ、両者の形は微妙に異なっていますが、標章では2羽は全く同じ形になっています。このため、たとえば、祥明大学のキム・ナムホ教授などは、「一対の鳳凰には陰陽の調和と共生の意味」があり、「朝鮮時代の王室では雄の鳳の尾に花などを飾り、雌である凰のものより華麗に表現し形を変えていた。大統領標章は2羽が雌雄の区別なく同じなため極端に解釈すれば鳳凰ではなく鳳鳳や凰凰になる」として、新政権に対しても標章のデザイン変更を求めていくのだとか。

 もっとも、キム教授らの主張に対しては、標章はあくまでも現代のモノであり、かならずしも、朝鮮王朝の伝統に厳密に従う必要はないとする声も少なくないようです。

 ちなみに、李明博前大統領は、2008年の大統領就任に先立ち、鳳凰標章を権威主義的として廃止を検討したものの、廃止には法令の改正が必要だったこともあり、標章廃止の話はいつしかうやむやになり、現在にいたるというわけです。

 さて、大統領標章は大統領の執務室や大統領専用車などに掲げられているのがテレビなどで取り上げられることも多いのですが、実物を直接見ようと思えば、やはり、大統領官邸である青瓦台に行き、その門扉を拝んでくるのが手っ取り早いと思います。(下の画像は青瓦台の門扉です)

        青瓦台門扉

 韓国の大統領官邸、青瓦台の土地はもともと景福宮の一角で、日本統治時代の1939年には朝鮮総督官邸が建てられました。1948年に大韓民国が成立すると、旧総督官邸は初代大統領の李承晩により大統領官邸に転用されます。当初は景武台と呼ばれていましたが、李承晩退陣後の1960年、尹潽善が建物の外観にちなんで青瓦台と改名した。

 現在の官邸本館は、盧泰愚政権時代の1991年に韓国の伝統的な建築様式で建設されたもので、名前の由来である青い瓦は1枚ずつ手焼きで作られ、100年の耐久性があるそうです。まぁ、2091年まで朝鮮半島で現在の政治体制が続き、青瓦台が韓国大統領府のままでいるかどうかは、別の問題ですが…。

 ちなみに、青瓦台は10日前までに事前予約を行えば見学できるのですが、景福宮の北門を出ると通りを挟んで反対側が青瓦台の正門ということもあって、そうとは知らずにやってきた観光客が写真を撮って喜んでいる光景にしばしば出くわします。

 もっとも、そこは大統領官邸ゆえ、周辺の警備は厳しく、指定の場所以外でカメラを構えて警察官から注意されている人も少なくありません。ちなみに、今回ご紹介の写真も、そうした観光客に混じって、通りを挟んだ反対側の指定場所からデジカメの望遠で撮ってみたものです。


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