内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界水の日
2013-03-22 Fri 18:22
 きょう(22日)は“世界水の日”です。今年は“国際水協力年”でもありますので、現在、4月下旬の刊行を目指して制作作業をしている拙著『マリ近現代史』に関連して、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

        トンブクトゥの水汲み

 これは、オート・セネガル・ニジェール時代の1909年に、トンブクトゥからフランス宛に差し出された絵葉書で、トンブクトゥの水運び人が取り上げられています。

 現在のマリに相当する地域は、フランスによる植民地統治が始まった当初、“上セネガル”という意味で“オート・セネガル植民地”と呼ばれていました。1895年、ガボンより西側の各植民地を統括するため、在セネガル(1902年まではサン・ルイ、以後はダカール)の総督の下に、セネガル、仏領スーダン(現マリ)、仏領ギアナ、コート・ディヴォワールの緩やかな“連邦”が組織されましたが、このうち、仏領スーダンについては、1899年10月、その一部が仏領ギニア、コート・ディヴォワール、ダホメに編入され、残りは、1902年、仏領セネガンビア・ニジェールに再編成されます。その地域は、おおむね、現在のセネガル・マリ・ニジェールにまたがる広大なものでした。

 ところが、1895年に発足した連邦は、1904年にダホメが加わり、正式に“仏領西アフリカ連邦”となったことを受けて、仏領セネガンビア・ニジェールは、旧仏領スーダンの古称であるオート・セネガルの名を冠した仏領オート・セネガル・ニジェールへと再編されました。今回ご紹介の葉書は、そうした経緯を経て誕生した仏領オート・セネガル・ニジェール時代のモノというわけです。

 さて、現在のマリでは、清潔で安全な水へアクセスできる人の割合は、現在の北部紛争が勃発する以前の2008年の統計で、全国で50%、人口の70%を占める農村部では36%しかありません。清潔で安全な水が得られる井戸が1基でも設置されている村の割合は、砂漠地帯の北部では30%以下で、全国にある約1万2000の村のうち、2200の村に未だ清潔で安全な水源がなく、5歳未満の子供たち1000人あたりの死亡率191人のうち、15%が汚染された水が原因の下痢かそれに類する病気というデータが出ています。

 したがって、今回ご紹介している絵葉書のような光景は、現在のトンブクトゥ市内でも見られるかどうかはともかく、まだまだマリ国内全体では珍しくないものといえそうです。

 ちなみに、2000年9月、ニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットでは「ミレニアム開発目標」がまとめられ、その目標のひとつとして、2015年までに、安全な飲料水および衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半減することが掲げられました。この期限までに、マリ国民の置かれている悲惨な水環境が少しでも改善されるためにも、一日も早い、北部紛争の終結と安定の回復をお祈りしております。


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 4月2日、5月7日、6月4日、7月2日、7月30日、9月3日
 (原則・毎月第1火曜日)13:00~14:30
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 4月12日、5月10日、6月14日、7月12日、8月30日、9月13日
 (原則・毎月第2金曜日)13:00~14:30
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