内藤陽介 Yosuke NAITO
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 マラリア薬の半分は偽物
2013-05-20 Mon 11:38
 全世界で年間2億人以上の患者が発生しているマラリアについて、アフリカと東南アジアで販売された薬のうち、約半分が薬効の不十分な“偽薬”だったことが、国連薬物犯罪事務所(UNODC)がまとめた初の報告書で明らかになりました。その主な製造元は中国とインドだそうです。というわけで、きょうはマラリア関連の切手の中からこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

       マリ・反マラリア募金

 これは、1962年にマリで発行された反マラリアキャンペーンの寄附金つき切手で、WHOの反マラリア運動のシンボルマークが描かれています。1962年には、今回ご紹介のマリをはじめ、世界各国でマラリア撲滅運動の切手が発行されました。これは、1955年から世界保健機構(WHO)が実施していた“マラリア撲滅キャンペーン”が一定の成果を上げたことを受け、その総仕上げとして、1962年4月7日(WHOの創立記念日)に記念のキャンペーン切手を発行しようという呼びかけに応じてのことで、旧仏領諸国では統一図案で発行されています。

 さて、マリで感染する可能性のあるマラリアの大半は、最悪の場合、死に至ることのある熱帯熱マラリアで、北部のサヘル地域を除く全土で年間を通じて発生していますが、特に、雨季の6月から10月に蚊が多くなることで、患者数も増加します。マラリアは軽症であれば治療薬を服用することで治療が可能ですが、熱帯性マラリアは日本で入手可能な治療薬には耐性ができているため、万一かかってしまったら、現地の病院でお世話になるしかありません。

 ちなみに、マリではマラリアが5才未満の子どもの死亡原因の1位とされていますので、各国の医療支援もマラリア対策に力点が置かれているものと思われます。近年、マリのみならずアフリカへの支援を大々的に宣伝している中国ですが、今回のようなニュースを聞くと、彼らが各地でばらまいているマラリアの治療薬もかなりな部分が“偽薬”じゃないかと疑いの目を向けてしまうのが人情というものでしょう。

 “偽薬”は、それ自体が治療の役に立たないというだけではなく、効果の薄い薬の投与が続けば、抗生物質が効かない薬剤耐性マラリアなどが拡散する恐れがあります。国内では使い道のなくなった“偽薬”を、援助の名目で海外にばらまいているのだとしたら、なんとも罪作りな話ですな。

 なお、拙著『マリ近現代史』では、マリ国内の保健・衛生環境や中国からの援助の歴史などについてもまとめております。機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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 ・6月1日(土) 11:00- 切手市場
 於 東京・浅草 台東民会館 9階ホール
 詳細は主催者HPをご覧ください。新作の『マリ近現代史』を中心に、拙著を担いで行商に行きます。 会場ならではの特典もご用意しておりますので、ぜひ、遊びに来てください。


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