内藤陽介 Yosuke NAITO
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 スペイン語の書かれた提灯
2013-06-11 Tue 14:08
 皇太子殿下は、きのう(10日)、日本とスペイン交流400周年の記念行事出席などで同国訪問のため、羽田空港から政府専用機でマドリードへご出発になり、現地時間の同日夕方、無事、ご到着になりました。というわけで、きょうはスペインがらみの日本切手ということで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

       国際観光年・提灯

 これは、1967年10月2日に発行された国際観光年の記念切手のうち、観光年のマークが入った提灯を描く15円切手です。観光年のマークには、英語・フランス語・スペイン語の3ヶ国語で“国際観光年”の表示が入っているため、結果的に、この切手はスペイン語表示の入った日本最初の切手となりました。

 1966年11月4日、国連総会で1967年を“国際観光年”と指定する決議が採択され、世界各国に対して「観光が教育・文化・経済・社会等の諸分野に果たしている役割を各方面に認識させ、かつ、観光振興に関する諸施策の推進に努めるよう要請」が行われました。

 これに先立ち、運輸省は、国際観光年の実施を見越して1966年9月7日、刊行局長を会長とする国際観光年企画委員会を省内に設置し、記念行事の企画の検討を開始。同年10月には、記念行事の準備と実施に必要な資金と物品を調達するため、財団法人「官設観光機関国際同盟東京総会及び国際観光年記念行事協力会」を設立させました。

 運輸省が国際観光年の準備に力を入れていた背景には、1967年10月、東京で官設観光機関国際同盟(IUOTO)の第20回総会が加盟102ヶ国および関係国際機関・団体代表多数を集めて東京で開催される予定になっていたという事情があります。

 さて、国連総会での正式決定を受け、運輸省は1967年2月、関係省庁による観光対策連絡会議が開かれ、①入出国手続の簡素化・合理化、②国際観光地および国際観光ルート整備5か年計画の推進、③観光資源の保護、④観光族行の安全の確保、⑤観光旅行の円滑化、⑥国土の美化、⑦観光に関する普及啓蒙、⑧国際観光年に関する広報、の8項目からなる「国際観光年に関する基本方針」が決定され、国際観光年のさまざまな記念行事が実行に移されることになりました。

 こうした国際観光年の広報活動の一環として、運輸省は、記念切手の発行、記念たばこの発売、記念シールおよび記念ステッカーの作成、全国民謡踊大会の開催等を企画します。

 このうち、記念切手に関しては、運輸省は郵政省に対して①国際観光年:8月発行を希望、②官設観光機関国際同盟(IUOTO):10月発行を希望、③国際観光地および観光ルート指定:12月発行を希望、の3件の切手発行を申請し、国際観光に関する切手の発行を絶対に実現させたいとの強い意欲を示しました。この結果、1967年1月23日に開催された郵政審議会専門委員打合会では、これら3件を統合するかたちで、10月のIUOTO総会にあわせて国際観光年の切手を2種類発行することが決定されました。

 なお、国際観光年の記念切手としては、今回ご紹介のモノのほか、横山大観の「霊峰富士」を取り上げた50円切手も発行されています。こちらについては、拙著『切手百撰 昭和戦後』でもご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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