内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 G8サミット、きょう開幕
2013-06-17 Mon 11:19
 G8サミット(主要国首脳会議)が、日本時間の今夜(17日)、英国・北アイルランドで開幕します。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      北アイルランド・ラベルカバー(表)     北アイルランド・ラベルカバー

 これは、1950年1月、北アイルランドのアーマーからインド宛に差し出されたカバーとその裏面の画像で、裏面には、北アイルランドが英国の一部であり、それゆえ、関税なしの恩恵を受けていることを宣伝するラベルが貼られています。

 17世紀のクロムウェルによる植民地化以来、アイルランドでは、カトリックが多数を占めるアイルランド人に対する英国国教会の差別や弾圧が続いていました。このため、19世紀に入ると、アイルランドでは英本国からの分離独立を求める民族運動が高揚しましたが、全島32州のうちプロテスタント住民が多数派を占める北部のアルスター6州では、独立に反対する声も少なくありませんでした。

 こうした背景の下、1914年にアイルランドの自治法が成立しますが、第一次大戦の勃発により施行は延期。これを不満として、1916年、独立を求めるイースター蜂起が発生しました。

 英国政府は蜂起を鎮圧したが、1918年の議会選挙ではアイルランド独立派が圧勝。翌1919年、アイルランド国民会議で再度アイルランドの独立が宣言され、これを認めない英国との間でアイルランド独立戦争が勃発します。

 1922年、独立戦争の講和条約として英愛条約が結ばれ、アイルランド全島がアイルランド自由国として英国の自治領となると、北アイルランドはアイルランド自由国からの離脱と連合王国への再編入を決定。これにより、北アイルランドは独自の議会と政府を持つ、英連合王国の構成国の1つとなりました。今回ご紹介のカバーに貼られているラベルは、こうした事情を踏まえて、英国と北アイルランドの一体性を訴えるためにつくられたものです。

 もっとも、1922年以降も、北アイルランド内ではカトリックに対する社会的差別が続いたため、1960年代後半になると、米国の公民権運動などの影響を受けて、カトリックとプロテスタント主体の北アイルランド政府との対立が深刻化。アイルランド民族主義過激派は、1969年、私兵組織として“IRA(アイルランド共和国軍)暫定派”を結成して北アイルランド政府に対するテロを展開し、3700人以上が犠牲になりました。

 その後、1990年代になると和平への道が模索されるようになり、1998年4月、包括和平合意(ベルファスト合意)が成立。今回のサミットは、和平合意後の15年間の“成果”を世界に印象づける一大イベントとして企画されたものです。

 しかし、昨年(2012年)12月3日、中心都市ベルファストの市議会が英国旗掲揚を制限すると決めたことに、プロテスタント系住民が激しく反発。2013年初から1か月以上にわたり暴動が続くなど、宗派間の対立が再燃し、逆に平和がいかにもろいものかが浮き彫りになりました。

 おそらく現地ではものすごい厳戒態勢となっているのでしょうが、まずは、無事にすべての日程が終了することをお祈りしております。


 ★★★ 内藤陽介の最新作 ★★★

       マリ近現代史
         『マリ近現代史』

 北アフリカ・マリ共和国の知られざる歴史から混迷の現在まで、
 切手・絵葉書等で色鮮やかに再現したオールカラーの本格的通史!
 
 amazone-honhontoネットストアHonya ClubJBOOK7ネット・ショッピング紀伊國屋書店版元ドットコムブックサービス文教堂丸善&ジュンク堂書店楽天ブックスなどで好評発売中!


 ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★   

 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。開催日は7月2日、7月30日、9月3日(原則第一火曜日)で、時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。
スポンサーサイト

別窓 | 英国:KGVI 時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< 切手の帝国:フォークランド | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  “私はカモメ”から50年>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/