内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 『郵趣』今月の表紙:ブラック・スワン
2006-03-24 Fri 23:56
 (財)日本郵趣協会の機関誌『郵趣』の4月号ができあがりました。

 『郵趣」では、毎月、表紙に“名品”と評判の高い切手を取り上げていて、僕が簡単な解説文をつけています。で、今月号はこの1枚です。

ブラックスワン

 1901年に現在のオーストラリア連邦が発足するまで、オーストラリアはいくつかの英領植民地に分かれていました。今回ご紹介しているのは、そのうちの一つである西オーストラリアの最初の切手として1854年8月1日に発行されたもので、“ブラック・スワン”と称されています。

 西オーストラリアの存在がヨーロッパ人に知られるようになったのは1616年のことですが、スワン川流域に流刑植民地が設置され、本格的な植民が始まったのは1826年のことです。スワン川というのは、この地で発見された黒鳥(ブラック・スワン)にちなんで、オランダの探検家ウィレム・ド・ヴラミングによって命名された名前です。

 黒鳥はオーストラリア全域に生息していますが、特に、スワン川やモンガー湖(州都パース北西にある)のものが有名です。ヨーロッパ人にとって、“ブラック・スワン”は長らく空想上の生物であったため、「オーストラリアは、大地が赤く、白鳥は黒い」という探検家たちの証言は驚きを持って迎えられました。黒鳥が西オーストラリア最初の切手に取り上げられたのも、そうしたインパクトのゆえに、この鳥がこの地を象徴するものとしてみなされていたためと考えてよいでしょう。ちなみに、現在、黒鳥は西オーストラリア州の州鳥に指定されています。

 画像の切手は、結果的に黒一色で印刷されているため(そういえば、世界最初の切手であるペニー・ブラックも黒一色の印刷です)、まさに“ブラック・スワン”のイメージをそのまま再現するものとなりました。なお、ホンモノの黒鳥はくちばしの辺りが赤ですが、まぁ、19世紀半ばの切手にそこまで求めるのは酷でしょうね。

 今年は日豪交流年ですので、秋の<JAPEX>では、オーストラリアにちなんだ展示をしたいと実行委員会(僕もメンバーです)では考えています。今日ご紹介したブラック・スワンについても、どなたかのご協力を得て、少しまとまった展示ができればいいのですが…。
スポンサーサイト

別窓 | オーストラリア | コメント:2 | トラックバック:0 | top↑
<< クレタがギリシャでなかった頃 | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  釜山港へ帰れ>>
この記事のコメント
#126 ブラックスワン
昨日ブラックスワンと遭遇し、その事を私ブログで紹介しようと思い、調べていたところ、こちらのブログに辿り着きました。大変参考になりました。
2006-04-13 Thu 17:50 | URL | 楽天ブログのPetitCommerceと申します #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 PetitCommerce様
 コメントありがとうございます。これからも、これを機縁にお付き合いください。
2006-04-19 Wed 00:12 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/