内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界漫郵記:ドバイ①
2013-08-30 Fri 13:43
 『キュリオマガジン』2013年9月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記」は、今回からドバイ篇に突入。まずはドバイの玄関口にあたるドバイ国際空港について取り上げましたが、その記事の中から、この切手をご紹介します。(以下、画像はクリックで拡大されます)

       ドバイ国際空港

 これは、1971年5月15日、アラブ首長国連邦(UAE)発足以前のドバイで発行されたドバイ国際空港開港の記念切手です。

 19世紀後半以降、ドバイはペルシャ湾南岸の港湾都市として、ペルシャ湾岸とインドを結ぶ中継貿易の拠点となっていましたが、航空路線の到達は遅れ、まずはシャルジャに空港が設置されます。

 すなわち、1929年3月30日に就航した英国インペリアル航空のロンドン=カラチ(現パキスタン)線は、当初、エジプトのアレクサンドリア以東は、ガザ(パレスチナ)=ルトゥバ(イラク)=バグダード(同)=バスラ(同)=ブシェール(イラン)=リンゲ(同)=ジャスク(同)=グワダル(現パキスタン)を経由してカラチにいたるというルートを取っていました。ところが、1932年、イラン政府は、ロンドン=カラチ便の航空機が自国の領空を通過することにクレームをつけたため、インペリアル航空は、バスラ以東のルートを、同年10月以降、ペルシャ湾対岸のバハレーン=シャルジャ経由に変更して運航されることになりました。

 この時期、すでにドバイはペルシャ湾岸の港湾都市としてそれなりに繁栄していたため、本来であれば、バハレーン=ドバイ経由という路線の方が実用的であったはずなのですが、そうならなかったのは、おそらく、バハレーンはドバイのライバルであるアブダビとの関係が深く、ドバイとは必ずしも良好な関係ではなかったからではないかと思われます。

 いずれにせよ、英国側はシャルジャには簡易空港を開設。これに伴い、1932年10月1日からシャルジャ発着の航空便の運航が始まりました。

 ただし、現在のUAE国家に相当する地域では、当時はドバイにしか郵便局がなかったため、シャルジャ空港に到着したエアメールは、そこから18キロ弱の距離にあったドバイ局が取り扱うという変則的なスタイルが取られています。現在のUAE域内から諸外国宛のエアメールは、これとは逆に、いったんドバイに集められ、そこからシャルジャ空港に運ばれるという逆のルートをたどりました。

 その後も、ドバイ発着の航空便はシャルジャを経由していましたが、1960年にドバイ空港が開港し、ようやく、シャルジャ経由の変則的なエアメールのやり取りも終了しました。

 その後、1971年12月にドバイを含む7首長国でUAEが結成されることになると、それに先立ちドバイ空港は“ドバイ国際空港”に格上げとなり、UAE全体の空の玄関口となりました。

 ただし、UAEが発足した時点では、UAEとしての自前のエアラインはまだ就航しておらず、ドバイを拠点に2機の飛行機(ボーイング737とエアバスA300)でエミレーツ航空が就航を開始したのは、1985年のことでした。

 さて、今回の記事では、ドバイやシャルジャーの初期のエアメールなどもご紹介しつつ、ドバイ国際空港とその周辺の様子などを取り上げています。機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。

 
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