内藤陽介 Yosuke NAITO
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 マリ独立記念日
2013-09-22 Sun 10:34
 きょう(22日)は、マリ共和国の独立記念日です。というわけで、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

       仏領スーダン加刷(1894)

 これは、1894年、“仏領スーダン”で最初に発行された加刷切手で、少し読みづらいですが、当時の首府カイの消印が押されています。

 フランスが西アフリカに進出するようになるのは17世紀以降のことで、1659年、セネガル川河口、サン・ルイの中洲に城砦を築いたのが最初で、さらに、ポルトガルやオランダが奴隷貿易の拠点としていたダカール沖合のゴレ島をイギリスとの争奪戦の末に1677年に占領。西アフリカを拠点とした奴隷貿易が本格的に行われるようになりました。

 1815年、皇帝ナポレオン1世が失脚した後のウィーン会議では、セネガル川河口の沿岸部、サン・ルイとゴレ島の周辺をフランスの植民地“仏領セネガル”とすることでヨーロッパ諸国が合意。その後、フランス国内は1830年の7月革命や1848年の2月革命などの混乱が続きましたが、最終的にナポレオン3世が権力を掌握すると、フランス領セネガルの本格的な植民地経営がスタートしました。

 これと前後して、1854年、仏領セネガル知事となったフェデルブは、それまで沿岸部にとどまっていたフランスの権益を内陸部にまで拡張することに力を注ぎ、1855年にカイに城砦を建設。1857年にはダカールを占領して、1860年にはニジェール河岸にまでフランスの権益を拡大。1865年に総督を退任するまでの間に、広大な地域をフランスの影響下に置くことに成功し、フランスによる西アフリカ支配の基礎を築きました。

 こうした経緯を踏まえて、1880年、現在のマリに相当する地域は“上セネガル”という意味で“オート・セネガル植民地”とされ、カイを首府とするフランス植民地政府が設置されました。
 
 その後、オート・セネガル植民地は、1890年8月18日、“仏領スーダン”と改称されます。ここでいう“スーダン”とは“(サハラ以南の)黒人居住地域”という意味で、ナイル川上流、エジプトの南に位置する英領のスーダンとは直接の関係はありません。

 1890年代に入ると、フランスはカイを拠点にさらに内陸部へ進出し、各地の地方政権を圧倒。1892年にはバマコから235キロ東北のニジェール河岸のセグーを占領します。ついで、1893年12月、フランス軍のオーブ中尉が遊牧民のトゥアレグ人に殺害される事件が起きると、ユージン・ボニエ中佐ひきいるフランス軍はセグーを出発し、翌1894年1月10日、トンブクトゥに入城しました。

 今回ご紹介の加刷切手は、こうした背景の下、仏領スーダンで使用するために発行されたモノで、現在のマリ共和国に相当する地域の切手としては最初の1枚となりました。

 なお、マリ共和国の複雑な近現代史については、拙著『マリ近現代史』で詳しくまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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