内藤陽介 Yosuke NAITO
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 インドネシアの島の数
2013-11-13 Wed 01:03
 世界最大の群島国家インドネシアの地理空間情報局は、きのう(12日)、国連海洋法条約の定義に基づき島の数を数え直した結果、これまで一般に言われていた1万7508より4000以上少ない1万3466だったと明らかにしました。というわけで、きょうはこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

       海軍民政府20セント

 これは、1943年8月8日、日本占領下の蘭印(オランダ領東インド)地域のうち、海軍の担当地域で使用するために発行された“海軍民政府”の20セント切手です。

 1942年1月11日、日本軍はボルネオ島北部のタラカンとセレベス島北部のメナドに上陸。以後、島々の占領を進め、3月20日に蘭印の全地域を占領下に置きました。

 これを受けて、蘭印地域のうち、スマトラ島とジャワ島をのぞく地域(具体的には、ボルネオ島の旧オランダ領地域、セレベス、モルッカ諸島、小スンダ列島、西ニューギニアなど)は海軍が占領行政を担当することになり、セレベス島のマカッサルに南西方面海軍民政府本部が設置され、その下部組織としての海軍民政部がマカッサル(セレベス島)、バリックパパン(ボルネオ島。後に島内のバンジェルマシンに移転)、アンボン(後にバリ島のシンガラジャに移転)の3ヶ所に設けられ、現地の占領行政を担当しました。

 こうした海軍の占領地区では、占領当初、おおむね、接収した蘭印の切手に“大日本”の文字と海軍を示す錨を加刷した切手が使われていましたが、1943年8月以降(一部は7月から)、海軍民政府独自の切手が使われるようになりました。今回ご紹介の切手はそのうちの1枚で、海に美味ぶ島々とヤシの木に日章旗を配したデザインです。海軍民政府がカバーしていたのは、まさに、小さな島々が数多く連なる地域でしたから、そのイメージを表現したものと考えて良いでしょう。

 ちなみに、オランダ統治下の蘭印では、イラスト化した蘭印地図の絵葉書が作られていましたが、そのうち、無数の小島が連なる小スンダ列島(バリ~ティモール)の部分はこんな感じです。

       小スンダ列島・地図

 さて、インドネシア国家を構成する島の数に関しては、これまで、1987年に国軍が発表した1万7508が最もポピュラーであるとは言え、国立航空宇宙研究所の1万8306、内務省の1万7504など諸説がありました。ただ、いずれの場合も、高潮時に水没する岩礁なども“島”に含めていたため、今回の再調査のように、「自然に形成された水に囲まれた陸地で、潮が高い状態でも水面の上に出ているもの」という国連海洋法条約での島の定義をきっちりとあてはめると、その数は大きく減ることになりました。今回ご紹介の切手に描かれている島の中にも、現在の基準に当てはめると島とは呼べないものもあるかもしれません。

 これまでは、インドネシア領内の“島”の中には、面積の小さな無人島の中には名前が付けられていないものも少なくありませんでしたが、今回の再調査に合わせてすべての島に何らかの名前が付けられることになりました。これは、近年、周辺海域への侵略攻勢を強めている中国に対して、自国の領土の範囲を明確に主張する必要があったためです。

 なお、現在のインドネシア国家を構成する小島のうち、ロンボク島については、拙著『蘭印戦跡紀行』でも取り上げておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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