内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 きょうからJTPC展です
2014-01-17 Fri 11:16
 きょう(17日)から、東京・目白の切手の博物館で第5回テーマティク出品者の会(JTPC:Japan Thematic Philatelists Club)の切手展がスタートします。今回は、都市交通を題材とした作品を御出品の榎沢祐一さんの御尽力で、きょう・あす(17-18日)は下のデザインのような小型印が使用されます。(以下、画像はクリックで拡大されます)

       テーマティク出品者の会・小型印(2014)

 というわけで、きょうは、榎沢さんの御尽力に敬意を表するとともに、開催のご挨拶を兼ねて、路面電車を描くこんな切手を持ってきました。

       ソウル市電

 これは、1970年5月20日に韓国で発行された“(昔の)交通手段”の切手のうち、1890年代のソウル路面電車(ただし、切手上の表記は単に“電車”ですが…)を取り上げた切手です。

 1895年の閔妃暗殺事件の後、高宗は清涼里の洪陵に閔妃の墓所を築造し、しばしば墓参に訪れていましたが、多くの従者を連れての参拝には多額の費用が必要でした。これに対して、米国人技術者、ヘンリー・コールブランは、王宮から墓所まで路面電車を敷設し、普段は一般住民の移動手段とすることで、経費の削減と増収の一石二鳥を図れるとして、電車敷設を提案。これを受けて、1898年、王室と米国人技術者(コールブランとハリー・ライス・ボストウィックの2人)の共同出資で漢城電氣會社が設立され、日本の京都電氣鉄道に設計と工事を依頼して、電車の敷設工事が行われました。ちなみに、漢城電氣の資本金150万円は、コールブランとボストウィックが75万円、王室が75万円を負担する約束になっていましたが、王室が実際に支払ったのは15万円だけでした。

 西大門=清涼里間に市電が開通したのは、1899年4月8日のことで、運転は京都電鉄から出向した日本人が担当しました。今回ご紹介の切手に取り上げられている車両は創業時のもので、乗降用の扉がなく、車体側面に設けられたステップから直接車内へ出入りするスタイルでした。

 ところが、1902年、漢城電氣の社屋が全焼。その後の再建と事業拡大のための資金調達の必要もあり、漢城電氣は全財産を担保としで、本社を米国コネチカット州の韓美電氣會社に移管。1904年には正式に韓美電氣に吸収合併されました。しかし、その韓美電氣も、1909年には日系資本に買収され、同社が展開していた路面電車と電力ガス事業は日韓瓦斯電気株式會社が継承することになります。

 1910年以降の日本統治時代、ソウルの路面電車の経営は、引き続き日韓瓦斯電気が行います。同社は1915年に社名を京城電氣株式會社に変更。京城電氣の経営下で、ソウルの市電は大幅に路線を拡大しました。

 1945年に日本が撤退すると、市電の経営は、新会社としての京城電氣が継承しましたが、1950年の朝鮮戦争によりソウルも朝鮮人民軍に占領されるなど激戦地になったため、運行不能となりました。その後、1951年に入り、韓国・国連軍がソウルを確保すると、市電の再開に向けた準備が進められ、1952年6月2日、運行が再開されました。これに合わせて、7月2日、米国はアトランタ市・ロサンゼルス市の市内電車の廃止によって不要となった車両52両を韓国に持ち込み、うち20両がソウル市電に、32両が釜山市電に導入されました。

 ちなみに、今回のJTPC展に僕が出品している朝鮮戦争のコレクションの中には、戦前は韓国の支配下にあった開城が戦後は北朝鮮の領土となったことを示す絵葉書も含まれているのですが、この葉書の絵面には、解放後、朝鮮戦争の勃発前と思われる時期の東大門付近を走る路面電車が取り上げられています。作品では絵面はお見せしていませんので、この機会に、画像を下に貼っておきます。

        東大門・絵葉書

 その後、1961年には京城電氣を含む韓国内の電力会社が合併し、韓国電力公社が発足。市電の経営も同公社が行うことになりましたが、“漢江の軌跡”に伴う経済成長で市内の交通量が激増したこともあり、1968年11月末をもって全線が廃止されました。現在は、363号の車両がソウル市内の国立ソウル科学館に、381号の車両がソウル歴史博物館の野外展示場に保存・公開されています。

 さて、JTPCは、テーマティクならびにオープン・クラスでの競争切手展への出品を目指す収集家の集まりで、毎年、全国規模の切手展が開催される際には作品の合評会を行うほか、年に1度、切手展出品のリハーサルないしは活動成果の報告を兼ねて会としての切手展を開催しています。今回の展覧会は、昨年に続き5回目の開催で、会場では、フレーム切手等も販売します。会期は19日までで、18日(土曜日)の午後3時頃からは、展示作品の解説も行います。入場は無料ですので、ぜひ、遊びに来てください。
 

 ★★★ 本日初日! 展示イベントのご案内 ★★★

 第5回テーマティク出品者の会 1月17-19日(金ー日)
 於・切手の博物館(東京・目白)

 テーマティク出品者の会は、テーマティクならびにオープン・クラスでの競争展への出品を目指す収集家の集まりで、毎年、全国規模の切手展が開催される際には作品の合評会を行うほか、年に1度、切手展出品のリハーサルないしは活動成果の報告を兼ねて会としての切手展を開催しています。僕も、昨年のバンコク展に出品した朝鮮戦争のコレクションを展示します。入場は無料ですので、ぜひ、遊びに来てください。(詳細はこちらをご覧ください)


 ★★★ トーク・イベントのご案内 ★★★

 2014年1月2日より、東京・両国の江戸東京博物館で大浮世絵展がスタートしますが、会期中の1月24日13:30より、博物館内にて「切手と浮世絵」と題するトーク・イベントをやります。

 参加費用は展覧会の入場料込で2100円で、お申し込みは、よみうりカルチャー荻窪(電話03-3392-8891)までお願いいたします。展覧会では、切手になった浮世絵の実物も多数展示されていますので、ぜひ遊びに来てください。

 なお、下の画像は、展覧会と僕のトーク・イベントについての2013年12月24日付『讀賣新聞』の記事です。

大浮世絵展・紹介記事


 ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★   

 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。次回開催は2月4日(原則第1火曜日)で、ついで、3月4日に開催の予定です。時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ 内藤陽介の最新作 『蘭印戦跡紀行』 好評発売中! ★★★

 『蘭印戦跡紀行』広告

 日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。
 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より)

 南方占領時代の郵便資料から、蘭印の戦跡が残る都市をめぐる異色の紀行。
 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。

 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。


 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。
スポンサーサイト

別窓 | 韓国:朴正熙時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< リオのキリスト、雷で負傷 | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  イナメナス事件から1年>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/