内藤陽介 Yosuke NAITO
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 日亜移住協定発効50年
2014-02-01 Sat 18:03
 きのう(31日)、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで日本との移住協定発効50周年記念式典が行われ、わが国からは秋篠宮ご夫妻がご臨席なさったそうです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       アルゼンチン・日本修好100年

 これは、1998年、アルゼンチンで発行されたアルゼンチン・日本修好100周年の記念切手で、両国の絆の表現として、日本風の橋が描かれています。秋篠宮ご夫妻は、この時にも現地での記念式典にご臨席のためアルゼンチンを訪問されており、今回のご訪問は2回目となります。

 アルゼンチンの地に上陸した最古の日本人は、1597年に奴隷であることを不服として訴訟を起こし、解放を勝ち取ったフランシスコ・ハポンとされていますが、本格的な日本人の移民が始まるのは明治以降のことです。

 明治以降のアルゼンチンへの日本人移民は1886年に現地に渡った牧野金蔵が最初で、1898年には日亜修好通商航海条約が調印され、正式に、両国間の外交関係が樹立されました。その後、日露戦争開戦直前の1904年2月10日、アルゼンチンはイタリアに発注していたものの、チリとの和平が成立したため不要になった2隻の軍艦モレノとリヴァダヴィアをロシアにではなく日本に売却。両艦は日本名「日進」と「春日」として日本海海戦で活躍しました。

 1908年、ブラジルへの笠戸丸移民が行われると、780人の日本人乗客のうち、160人が最終目的地のサントスに着く前に経由地のブエノスアイレスで下船。これが、アルゼンチンでの日系人社会の母体となりました。第2次大戦までの日系移民の多くは沖縄県や鹿児島県の出身で、直接、アルゼンチンに渡るものに加え、ブラジルをはじめ周辺諸国から移ってくる者も多かったようです。移民たちは、ブエノスアイレスやその近郊で工場労働者、港湾労働者、花卉栽培、洗濯業に従事する者が多く、地方で農業に従事する者もありました。

 第二次大戦中の1944年1月、アルゼンチンは我が国との国交を断絶し、翌1945年3月には宣戦布告しましたが、1952年の講和条約発効により外交関係は再開されました。ちなみに、講和条約の批准を討議したアルゼンチン国会では、後に大統領となる野党急進党のフロンディシ下院議員が「講和条約は敗戦国に厳しい勝者の条約であって、冷戦下における米国の戦略の一環に他ならない」として、日本に対してもっと寛大な講和条件とすべきという理由で、批准に反対の論陣を張っています。

 講和条約の発効に伴い、日系移民の再開が予想されたため、アルゼンチンの日系社会では新たな移民を受け入れるための組織として、1953年10月、ATAKU(アルゼンチン拓植協同組合)を結成。1955年にパラグアイへの集団移住が再開されると、ブエノスアイレス経由でパラグアイに入国する日系移民の引率業務を引き受けるなどの実績を積み、1957年には、日系移民の呼び寄せ手続きの公式代行者としての許可をアルゼンチン移民局から獲得しています。この時点では、今回の記念式典の名目となった両国間の正式な移住協定は成立しておらず、ATAKUの仲介により、多くの日系移民や商社駐在員の受け入れがスムースに行われました。

 戦後のアルゼンチンへの日本人移民は1959-60年頃がピークで、その後は徐々に下火になりましたが、そうした状況の中で、ようやく1964年になって、正式な移住協定が成立。以後、1967年には友好通商航海条約が、1981年には文化協定および技術協力協定が締結されるという流れになっています。
 

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