内藤陽介 Yosuke NAITO
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 砂糖の女王
2014-03-10 Mon 14:54
 きょう(10日)は、3と10の語呂合わせて“砂糖の日”です。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       ハイチ・砂糖の女王

 これは、1960年5月30日、中米のハイチが発行した“ミス・ハイチ”にして“世界砂糖の女王”のクローディネット・フシャールの切手です。

 クローディネット・フシャールは、1938年2月3日、ハイチの首都ポルトープランスで生まれました。父親のジャンはハイチの歴史家・ジャーナリストで、キューバ大使を務めたこともある人物で、娘のクローディネットをパリで育て、米国のジョージタウン大学を卒業させています。こうしたこともあって、彼女は、ハイチの公用語であるハイチ語(クレオール言語)とフランス語のほか、英語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語を操るようになりました。

 ハイチでは、毎年、カーニバル期間中の最大の目玉行事としてミス・ハイチのコンテストが行われており、フシャールは、1959年、21歳の時に優勝しました。
 
 一方、“世界砂糖の女王”は、米国、キューバ、ハワイ、プエルトリコ、パナマ、ブラジル、エクアドルなど砂糖産業の盛んな30の国や地域の代表を集めて行われたミス・コンテストで、1959年12月24日から翌1960年1月2日まで、コロンビアのサンティアゴ・デ・カリで行われました。審査員長は作家のアーネスト・ヘミングウェイで、同年のミス・ユニバースで優勝した児島明子も審査員メンバーに加わっています。

 フシャールの出場はハイチ大統領フランソワ・デュバリエが直々に決定したとされており、彼女が“世界砂糖の女王”に選ばれて以来、国内で行われるミス・ハイチのコンテストは“クローディネット・フシャール”の名を冠して行われるようになっています。

 ところで、18世紀まで、ハイチはカリブ海における砂糖産業の中心地でしたが、1791年に勃発した革命の影響で砂糖産業が没落。カリブ海における砂糖産業の中心地はキューバに移りました。1804年のハイチ共和国発足後、砂糖産業は復活しますが、その利益の相当部分は、フランスに対する巨額の賠償金(独立時にフランス系植民者たちから接収した農園や奴隷などに対して請求されました)の支払いに充てられており、ハイチ国民へは還元されないという状況が長く続きました。

 その後、対仏賠償や各国への債務返済が滞り、財政難と政治的混乱が続くなかで、1914年、第一次世界大戦が勃発すると、混乱に乗じてドイツがイスパニョーラ島を占領する懸念が生じたため、米軍は1915年にはハイチに、1916年にはドミニカ共和国に出兵して全島を占領。ハイチに関しては、1934年まで米軍政が行われました。ちなみに、1934年の米軍ハイチの撤退は、米国で誕生したルーズベルト政権が外交政策を転換したことによるものですが、対外財政に関しては、1947年まで米国が管理するという状況が続きます。

 米軍の撤退後、ハイチ国内は再び混乱に陥り、1957年から1986年までは悪名高きデュヴァリエ父子による独裁政権の時代に突入。1986年、デュヴァリエ(子)は国家財政破綻の責任を問われ、クーデターで失脚しますが、その後も、左派のアリスディドと反対派による激しい対立によって国内状況は安定せず、2010年の大地震もあって、現在に至るまで混乱が続いています。

 さて、ことしは、わが国とカリブ共同体(旧英領を中心にカリブの14か国1地域が加盟。ハイチも加盟国です)の事務レベル協議開始後20年が経過した年であるとともに、ジャマイカならびにトリニダード・トバゴとの国交樹立50周年にもあたることから、“日・カリブ交流年”とされています。8月1-3日、東京・墨田区で開催が予定されている<全日本切手展2014>でも、これにちなみ、特別企画としてカリブ切手展を併催の予定です。今後も、同展の事前プロモーションを兼ね、機会を見つけてカリブ共同体加盟諸国・地域の切手をご紹介していきたいと考えておりますので、よろしくお付き合いください。


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 4月から、毎月1回(第1火曜日:4月1日、6月3日、7月1日、8月5日、9月2日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。(詳細はそれぞれ講座名をクリックしてください)

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