内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ミンダナオ和平調印
2014-03-28 Fri 12:03
 フィリピン南部ミンダナオ島で40年以上続いた武装勢力モロ・イスラム解放戦線(MILF)とフィリピン政府との紛争に終止符を打つ包括和平合意の署名式が、きのう(27日)、マニラの大統領府で行われました。というわけで、ミンダナオ島といえば、このマテリアルでしょうか。(画像はクリックで拡大されます)

       ミンダナオ・ゲリラカバー

 これは、第二次大戦中、フィリピンのミンダナオ島を拠点に活動していた抗日ゲリラが発行した切手の実際の使用例です。

 1941年12月8日の日米開戦とともに、日本軍は米国の保護領であったフィリピンへの攻撃を開始します。

 米国は、日露戦争時より、フィリピンを防衛するため、日本を仮想敵国とするオレンジ戦略案を策定していましたが、現実には日米開戦時には米比軍(開戦直前、フィリピン軍はアメリカ極東軍に統合されました)の戦争準備は完了していませんでした。このため、米比軍の司令官であったダグラス・マッカーサーは、マニラの非武装都市を宣言してバターン半島方面に撤退。日本軍は1942年1月2日、マニラに無血入城しました。

 さらに、3月17日にマッカーサーはフィリピンからオーストラリアに脱出。5月6日にはバターン・コレヒドールが陥落し、日本軍はフィリピン全域を占領しました。

 これに対して、日本軍占領下のフィリピンでは、各種の抗日ゲリラ組織が結成され、米軍の再上陸にあわせて蜂起すべく準備を進めていました。そうした組織のうち、ミンダナオ島の“自由フィリピン”は、日本軍による占領への抵抗を示す証として、1943年以降、自らの支配地域において、ここに示すような独自の切手を発行していました。

 その後、1944年10月20日、マッカーサーはレイテ島に6万の兵とともに再上陸。以後、日本軍との間に激戦が展開され、翌1945年2月3日、米軍はマニラを解放しました。また、1944年10月に行われたフィリピン沖の海戦では、日本海軍は戦艦3、空母4、重巡6、軽巡3、駆逐艦8の被害を受け、事実上、戦闘能力を失いました。

 今回ご紹介のカバーは、米軍のフィリピン再上陸後の1945年1月7日、ミンダナオ島のゲリラ地区から米軍の司令部宛に差し出されました。ミンダナオ島のゲリラ切手は、実際に郵便に使うためというよりも、ゲリラ政府の存在を内外に誇示するためのものという色彩が強かったが、米軍の再上陸以降は、少数ながら、このように実際に郵便に使用されるケースもあったというわけです。

 なお、第二次大戦中のフィリピンと関連の切手・郵便物については、拙著『切手と戦争』(電子版)でもいろいろと取り上げておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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