内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ハンガリー総選挙で与党圧勝
2014-04-07 Mon 15:52
 ハンガリーできのう(6日)、任期満了に伴う総選挙が行われ、オルバン首相率いる中道右派の“フィデス・ハンガリー市民連盟”を軸とする与党連合は全199議席中3分の2にあたる133議席を獲得して圧勝しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       ハンガリー・国会議事堂

 これは、1982年、ハンガリーが“切手の日”にあわせて発行した寄附金つき切手で、首都ブダペストの国会議事堂とラーコーツィ・フェレンツ2世(在位1676-1735)騎馬像が描かれています。

 1867年、ハプスブルク帝国がオーストリア=ハンガリー二重帝国に再編されたことを受けて、1873年、ハンガリー王国政府は、ドナウ川西岸のブダとオーブダ、東岸のペストを合併してブダペスト市を作り、ここを首都と定めました。ハンガリー王国としての国会議事堂は、1880年、ドナウ河畔のコッシュート広場に建築することが決まり、コンペの結果、一等となったシュタインドル・イムレの設計が採用されました。

 議事堂の建設は1885年に始まり、1000人の労働者と4000万個の煉瓦、50万の宝石と40キロの金などを使い、1904年に完成しました。なお、この巻の1902年、設計者のシュタインドルは62歳でなくなっています。

 議事堂の建築は、英国のウェストミンスター宮殿同様、ゴシック・リヴァイヴァル様式で、中央のドームを挟んで左右対称にファサードがある構造で、長さ268m、幅123m。高さはブダペスト市内で最も高い96mです。

 一方、切手前面の騎馬像のモデルとなったラーコーツィ・フェレンツ2世は、1676年、トランシルヴァニア公ラーコーツィ・フェレンツ1世の子としてボルシ(当時はハンガリー領。現スロヴァキア領)に生まれました。

 1701年、スペイン継承戦争が勃発し、ハンガリーに駐留していたオーストリア軍の多くが移動すると、その隙をついて、1703年、ハプスブルク帝国の絶対主義支配に抗して独立戦争を起こし、1704年にトランシルヴァニア公として即位。さらに、翌1705年にはハンガリー王国等族連盟の統治首長となりました。その後、ハンガリー側はハプスブルクに敗れ、1711年にはトランシルヴァニア公は総督に置き換えられ、ラーコーツィもポーランドへの亡命を余儀なくされますが、現在にいたるまで、ハンガリーでは民族的英雄の一人として高く評価されています。

 さて、前回2010年の総選挙で、「ハンガリーはEUの言うことを聞かない」としてハンガリーの主権と独自性を強調して勝利を収めたオルバン政権は、リーマンショック後の経済危機に対して、強い指導力を前面に押し出すことで事態の打開を図ってきました。具体的には、憲法裁判所の違憲審査権限を縮小したほか、中央銀行やメディアに対する政府の監督や規制を強化するなどの政策が行われてきたわけですが、こうした“プチ・プーチン化”に対してEUが反発。このため、今回の選挙結果を受けて、オルバンの強権的な政治手法がさらに強まり、EUとの摩擦もより深刻なものになるとも懸念されていますが、ハンガリー国民にしてみれば、EUに対して強硬姿勢で臨むオルバンは、現在のラーコーツィ・フェレンツ2世といった感じのイメージなのかもしれません。

 なお、トランシルヴァニアとその歴史については、拙著『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』でも、切手や郵便物を通じていろいろご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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