内藤陽介 Yosuke NAITO
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 バマコに行った東郷元帥
2014-05-27 Tue 16:33
 今日(27日)は、1905年の日本海海戦での勝利を記念した旧海軍記念日です。というわけで、東郷元帥がらみのマテリアルの中から、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      日本発バマコ宛カバー

 これは、1937年11月15日、神戸から、当時の仏領スーダン(現在のマリの前身)の首府バマコ宛のカバーで、外信印刷物の料金として、東郷元帥の4銭切手が1枚貼られています。カバーを運んだ英国船“ランチ”は、P&Oの所有で1925年1月24日に進水し、当初は英本国とボンベイ(ムンバイ)の間を就航していましたが、後に極東まで路線を伸ばしています。また、第二次大戦中は英国海軍に徴用され、仮装巡洋艦として用いられました。

 宛先のバマコはニジェール川沿岸の都市で、旧首府のカイからは517キロ南東に位置しています。市域は5つの丘に囲まれており、丘の麓の洞窟からは先史時代の岩画も発見されています。中世のマリ帝国の時代には交易の中心地との一つとして繁栄したこともありましたが、19世紀までにはすっかり衰退し、人口も数百人規模にまで落ち込んでいました。しかし、1880年、ジョゼフ・シモン・ガリエニひきいるフランス軍によって占領され、1883年以降、フランス支配下でのインフラ整備が進められてフランス風の建物が建ち並ぶ新市街が形成され、1908年、カイに代わって仏領オート・セネガル・ニジェールの首都となります。

 その後、第一次大戦後の仏領西アフリカ植民地の再編成の過程で、1921年12月1日、仏領オート・セネガル・ニジェールを改変して誕生したのが、今回のカバーの宛先国となっている仏領スーダンで、これが、現在のマリ共和国の直接のルーツとなりました。

 ちなみに、マリでは、今月17日から北部の砂漠地帯で、トゥアレグ分離独立勢力を含む複数の武装集団の連合組織と政府軍との間で激しい衝突が発生しており、反政府側組織のアザワド解放全国運動(MNLA)によれば、反政府側は政府軍の40人を殺害、70人を捕虜にし、政府軍から数十台の車両と数トンにのぼる武器・弾薬を奪ったとされています。

 これに対して、アフリカ連合の議長を務めるモーリタニアのアブドルアジズ大統領は、ルワンダ訪問を途中で切り上げ、MNLAをはじめ反政府勢力側と会談。これを受けて、23日に停戦合意が成立したばかりです。
 
 なお、マリとその近現代史については、拙著『マリ近現代史』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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       中日・講座チラシ    中日・講座記事

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